白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

オーバーテイク 第8話「同じ穴のムジナたち ―Y’know what makes a fast driver?―」第9話「厄災の日 ―What really happened?―」第10話「ネバー・セイ・ネバー ―It's gonna be a long race.―」

各人の想いが交錯し始める

 なんか各人の物語が一斉に動き出してますね。悠には突然にベルソリーゾからの誘いがかかり、半ば強引にマシンに乗せられたら、やはり小牧モータースのロートルマシンとは性能が違うことを感じる。一方、悠がやって来たことで強烈な刺激を受けたのが徳丸。一時はダークサイド落ちしかけていたところが、春永の離脱で突然のファーストドライバーになったことで、責任感が目覚めてきたが、それと共に強烈なプレッシャーも感じている。あの脳天気に見えた春永が実はこんなプレッシャーを背負いながら走っていたのかと痛感している模様。また後から追い上げてくる悠に健全な競争心(彼の場合はどうしても若干ひねくれて発現するが)も出てきた模様。

     
こっちもBlu-ray発売が決まっているようで

 一方の春永君はレースからの離脱を余儀なくされたことで焦りがある模様。脳天気なチャラ男のように見えていたが、やはりそれは世を忍ぶ仮の姿でもあり、その本性は努力家でもある(そうでないと一流にはなれん)。天才と言われるタイプは努力する姿を人には見せないというが、亜梨子にはその姿を普通に見せた上に、初めて弱音も少し吐いたところをみると、これは亜梨子に気を許している証拠ではあるんだが・・・。どうも亜梨子の方が奥手で今一歩積極的に出ない模様。

 

 

孝哉のトラウマの原点へ

 そして傷心の孝哉は原点でもある東北へ。結局は炎上したことなんかよりも、東北で知り合っていた少女が目の前で津波に呑まれるのを何も出来ずに見守ることしか出来なかった無力感が強烈なトラウマになっていたということで、謂わばその贖罪のような気持ちで正三爺さんの元を訪れたわけか。だけど客観的に見て孝哉はなんの責任もないな。遺族にしたら娘の最後をビジネスのネタにしたという感覚なんだろうが、あの彼女の最後の絶望的な表情を捉えてしまった孝哉は、逆に事実としてあれは伝えないといけないものだったと。そう確信しての行為だから、炎上自体は別に当然の結果として受け止めていた模様。

 それだけに正三爺さんの最後の「もっといっぱい撮れ」は救いの言葉なんだな。あれは「お前が悪いわけではない」と言い切っていることになるから。また悠の「孝哉は誰も見捨ていない」も孝哉のことを深く理解したが故に出て来た言葉。まあ愛の告白に近いな(笑)。これってそういう作品なんか? って考えが横切ったことも今まで何度かある(笑)。

 ようやく孝哉も復帰、悠はベルソリーゾからの誘いを断って、あくまで小牧モータースから表彰台を目指すことを宣言したが、しかし現実は甘くはない。一時は2位まで上がったものの最後にタイヤの限界が来てジ・エンド。タイヤをどれだけ使えるかは、まさに資金力が効いてくるところだから、スポンサーを逃したことが大きく影響している。この壁をどうやって乗り越えるかってあたりが作品の大詰めになるのか。今時の流行ならクラウドファンディング辺りだが。

 

 

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