外科医エリーゼ 第1話「償い」
いきなりヒロインが飛行機事故に遭い、これで転生かと思っていたら実は一ひねりあった。実はこの人生は転生後のものであったということのようである。元々ヒロインはどこかの貴族の令嬢だったようだが、恐らく我が儘放題で育ったのだろうと推測されるのだが、その結果として革命でも起こったのか、彼女は処刑されてしまったようである。つまりは昨期に私が1話で落ちてしまった「ティアムーン帝国物語」のパターンである。
もっともただ単に処刑を経験してから人生やり直しただけで、そこまで人間生まれ変われるかということがあるのか、本作の場合は孤児として転生したヒロインは、そこから必死で勉強して外科医となり、今では天才外科医として多くの人々を救ってきたという見事に表題の「償い」の人生を送ってきたということになっている。
しかしそれがこの世界での道半ばで飛行機事故に遭う。しかしここでさらに徹底していて、彼女は重傷を負った周囲の乗客を自ら治療して救い、自身は腹部に負っていた負傷が原因で救助隊が到着するのを見つつ命を落とすという最後まで人に奉仕する人生を終えたことになる。そしてその経験を積んだ上で最初の令嬢に転生したわけである。
と言うわけだから、彼女は徹底して自身の人生を悔いた償いの果てに、無双の外科技術を持って転生したということになるので、恐らくその技術を使って人々を救っていく話になるのだろうという想像はつく。とは言うものの、やはり基本はもろに上に挙げた「ティアムーン」などと同じジャンルで少しひねっている程度。また残念ながら医療技術の詳細を描けるだけの知識が作者にないと見えて、その部分は結構適当なのでブラックジャック的医療物語にも出来そうにない。と言うわけで大体先が読めることから、本作はいきなりであるが切ることにする。
