休日のわるものさん 第1話「我らにも癒しは必要だ」
すっとぼけた作品だな。悪の組織の幹部が休日は完全オフで、あくまで仕事とは離れて過ごすという。ワークライフバランスをしっかり考えている悪の組織ってすごいな。今時はリアル企業の方が余程ブラックだ(笑)。ショッカーの死に神博士なんかは、1年365日、24時間悪の幹部として戦い続けているという昭和のリゲインの世界だったが、あっちの方も労働環境がかなり整備されたということだな(笑)。これってよくよく考えると「黒井津さん」の路線か。そう言えばあの作品のメギストス参謀も、部下の労働条件に非常に配慮する今時の優れた管理職だった(笑)。本作も最近多いパターンではあるが、こういうすっとぼけた作品は個人的には結構ツボを突いていたりする。
しかも彼の癒やしのツボがパンダと来たものだ。白黒熊がすべてを制するか。まあそういう意味ではパンダって平和の象徴だよな。中国も昔は友好の証に各国にパンダを送ったりしていたが、それが贈与でなくて貸与になりだした頃ぐらいから、あの国もおかしな雰囲気になってきた。国力が増して自信がついてきたことが、妙な態度の横柄さにつながる。たまたま時流に乗っかって急に人気が出た芸人みたいなものか。「俺ってビッグ」という勘違い。
主人公はあくまで仕事とは離れようとしているのに、正体丸出しの戦隊の赤い人と遭遇。しかも相手はヒーローとはほど遠いような天然。何かこの辺りも「黒井津さん」と共通するな。なお主人公はどことなくコミュ障っぽい外観をしているが、行動見ていると決してコミュ障でもないようだ。どちらかと言えばなるべく世間と関わりを断って、自分の休日を送りたいという意識が強いようで。もう少しトップの無茶ぶりと部下からの突き上げに板挟みになる中間管理職の悲哀のようなものも滲みだしたら、もっと面白くなるかも。