冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた　第6話「暗躍する反乱分子」

ベルグリフってただの元冒険者じゃないな

　アシュクロフトから決闘を挑まれたベルグリフ。やむなしと勝負に挑むが、その結果は意外なオチに。ぬかるんだ地面で義足をスベらせたベルグリフが転倒して、突進してきたアシュクロフトの脛を打ち付ける形になって勝負ありか。それにしてもベルグリフって、村の子供たちを連れて森に行ったときもそうだったが、やはり義足のせいで足を滑らせることが多いんだが、それでも敵を倒してるんだよな。そもそもその技倆の底が測れない。冒険者になって2年ほどで片足失って引退してるんだから、冒険者になってから鍛錬したというには期間が短すぎ。引退後も自主トレは続けていたようだが、あくまで本職は農夫だから、剣術の基本をどこで鍛えたんだろうってのがある。アンジェと戦っていた時なんかを見ても、対人的な駆け引きなんかに長けている感を受ける。冒険者になる前に元々騎士かなんかだったとかいう過去がありそうに思えるんだが。

原作はライトノベルでコミックも出ているってパターンらしい

　そもそも剣術も冒険者の実戦的な剣だけでなく、正統派の剣法自体も習得している雰囲気があるんだよな。そもそもバリバリ正統派の剣を習っているはずのサーシャが師匠として尊敬しているぐらいだから。単なる実戦だけの邪道な剣だとサーシャがそこまで心服するってのも考えにくい。それにモンスター襲来の事態においても、最前線に飛び込むのでなく、一歩下がって全体を見回して的確に指揮をすると共に冷静に事態の展開を読んでいる。こういうのを見ていると、やっぱりただの冒険者というよりもどこかの騎士団長的なんだな。そりゃヘルベチカ様が「私を差し上げてもよいですから、是非とも仕官を」になったのも分かる逸材ではある。

陰謀が動き出した模様

　結局はベルグリフに負けてしまったアシュクロフトだが、自身が嫉妬に駆られていたというように一応自己を客観視できる力量はあるようです。そういう点では基本的に有能な人物のようです。まあ人材コレクターらしいヘルベチカ様のお眼鏡にもかなったんだろうから無能なはずもないか。ただやっぱりサーシャに気があるんだろうな(叶わぬ想いという自覚もありそうだが)。しかしようやく彼が落ち着いたところで既に遅し、ファザコンのアンジェを怒らせたことでボコボコにされた模様。まあアンジェをバカにしたことよりも、アンジェの前で親父さんのことをバカにしたのが致命的ですわ。それに竹刀でなくて木剣での稽古ですから、棍棒で叩きつけられるみたいなもので、圧倒的上級者に容赦なくボコボコにされたらああなりますね。まだ骨折しなかっただけマシか。その辺りはアンジェも頭に血が上っていても手加減はしたんでしょう。

　そして陰謀に巻き込まれる。隣のアホ伯爵がシャルロッテを使ってアンデッド軍団でボルドーを襲撃。しかしSランクパーティがいた上に「赤鬼のベルグリフ」まで個滞在中だったために見事に撃退されてしまうと。屋敷襲撃にはとっておきの上位種まで投入していたようだが、ベルグリフ様の前で瞬殺されてしまった模様。アホ伯爵の目論見は、ヘルベチカ達を暗殺し、混乱するボルドーに乗り込んでドサクサ紛れに制圧ってところだったんだろうが、見事に目論見は崩壊です。まあどう見ても諦めの悪そうなタイプなので、また続けて何か陰謀を仕掛けるでしょう。もっともさすがに切れ者のヘルベチカ様は今回の事件の背景を既に読んでいる模様なので、手ひどいしっぺ返しを食らうオチが見えている。

　ところで今回は魔王タイプにアンジェがかなり苦戦しましたが、あれは精神攻撃を加えるタイプの魔物っぽい。アンジェは物理的戦闘技などのフィジカル面は無敵だが、メンタル面は単なるファザコン少女でまだかなり弱いからな。そこが弱点か。