悠が知ることになった孝哉の過去のトラウマ
無事にスポンサーがついたものの、頑固者の悠はいささかへそを曲げており、それに対して孝哉は申し訳なさが一杯。平謝りなんだが、頑固者はなかなかそれを受け入れない。悠にしたところでスポンサーをつけることの意義は切実に感じているし、そのスポンサーを引っ張ってきてくれた孝哉には本音では感謝もあるのだが・・・。とにかく素直にならないのが彼の弱点ではある。
そうこうしているうちに、悠は孝哉のトラウマになってしまった事件を聞くか。孝哉は以前から人を撮れなくなっているとのことだが、それが東日本大震災が絡んでいたと。結局は彼はあの震災に巻き込まれて、その時に津波にさらわれる少女の写真を撮ったのが「不謹慎」だと猛バッシングを受け、恐らく彼自身も震災の惨状で傷ついていたところに追い打ちになって決定的にトラウマになっちまったってか。まあありがちですわ。実際のところそこにいて助けられる相手なら人として助けるだろうけど。到底助けられない位置にいた場合、カメラマンなら反射的にすることは撮影だろうから。
孝哉のトラウマからの立ち直りも、この作品のテーマでしょうね
孝哉はずっとカメラマンでなくてフォトグラファーって言っているが、それも「人物を撮影出来ないから」って意味が含まれているんだろうな。カメラマンと言えば事件の弦波とかに駆けつけて人物中心で撮る報道カメラマンがメインだから。それに対してフォトグラファーだったら、風景写真などの芸術写真を中心に撮るというニュアンスがある。で、今回孝哉はF4の仕事を回されたわけだが、走っている車の写真なら撮れたのか。しかしこれもドライバーの人身事故なんかがあったらトラウマ発症しそうな気がするが・・・。
そうやって人物の写真は撮れなくなっていた孝哉が、悠の写真は無意識に撮影出来たというわけで、そこに彼の再起の鍵があるということのようです。結局はこの作品は悠がF4ドライバーとして成長していく過程と、孝哉が過去を克服して行く過程を重ねていく話になるんだろうなということが明確ですね。
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