少しズレたフリーレンの日常
相変わらず何やら調子の狂っているフリーレンです。それにしてもフェルンが既に身長が追い越しただけでなく、ズレっぱなしのフリーレンの実質的保護者になってきている。フリーレンはフェルンに対して魔法については師匠ですが、日常生活については完全にしっかりもののフェルンに依存してるな。で、そのフリーレンが1人で買い物に出かけるというから、保護者としてはひそかに付いていって、余計なものを買わないかを確認していたと。
まあなんだかんだで2人の絆のようなものを感じさせるほんわかストーリーでした。フリーレンはズレっぱなしですが、それでも人間を理解しようという心を持ってるんですよね。この作品は人間を理解したいフリーレンが、そのために旅をするって話なので。一応はかつての勇者パーティーの辿った跡をなぞっているようですから。
80年の年月は人間には長かった
そして後半は、その勇者パーティーの旅の時に、強すぎたので滅ぼすことが出来ずに封印した魔族クヴァールを葬る話。序盤にフリーレンがフェルンに防御魔法を徹底指導していたのはこれがあったからということのようです。クヴァールは最強の「人を殺す魔法」であるところのゾルトラークを使うため、勇者パーティーでも持て余して封印をしたのだが、その封印がそろそろ解ける頃なので、フリーレンが1人(フェルンが同行してますが)で滅ぼしに来たと。
おいおい、そんなの大丈夫なのか? と思うところですが、クヴァールが封印されていた80年はあまりにも長かったという話です。魔族やエルフにとっては80年なんて一瞬ですが、人間にとっては一生に当たる時間。その間にクヴァールのゾルトラークは徹底的に研究され、今や「普通の攻撃呪文」になってしまっていて、それに対する対抗策も開発されていたと。まあ人間の兵器に関する研究ってスゴいですから。日清戦争で鹵獲した清の新鋭旗艦なんて、日露戦争の時には旧型艦過ぎて前線には出れなくなってましたからね。それでもクヴァールは最新の技術に食らいつこうとしていたが(この辺りは並ではない)、完全に解析されないうちにフリーレンが攻撃呪文で倒してしまったと。
まあ現実にはあり得る話ですね。ちなみに私は以前に「勇者に倒されて1000年後に復活すると言い残して消滅した魔王が、1000年後に復活して再び地上を制覇しようとするが、現代兵器によって呆気なく鎮圧されてテロリストとして逮捕されてしまう」というショートショートを書いたことがあるな。スケルトン軍団は機関銃で呆気なく粉砕され、ドラゴンも戦闘機に叩き落とされてしまうという。
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