白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

SYNDUALITY Noir 第10話「Drifters' pride」第11話「Storm of A.I.」

ド定番のカナタの親離れの葛藤エピソードが登場

 お約束の保護者とそれから自立しようとする息子との葛藤というお約束パターンが来ました。ドリフターとしての実力をグングンと成長させるカナタに対し、それを頼もしくも感じつつも一抹の寂しさを感じずにはいられない保護者のトキオ。しかし実力と共に自覚も増していってきているカナタとしては、いつまでもトキオの保護下に甘んじていることは窮屈でもあるし、成長してきたプライドを否定される気もする。今回の内容を要約すれば「オレはいつまでも母ちゃんの息子じゃないんだ!!」という超ド定番の親子げんかなんですが。トキオは実際にかなり過保護な母ちゃんだったので。せめて父ちゃんだったら「そうか、お前ももうそんなに成長したか」になるんですが、トキオはどう見てもやっぱり母ちゃん。

メディアミックス系のお約束でフィギュアやプラモが先行販売

 その間でノワールが少々所在なげです。いろいろと欠けていてポンコツと言わざるを得ないノワールは、こういう人情の機微が一番理解出来ないから、カナタのためになりたい、今のトキオと喧嘩しているカナタはそれは本意なわけではないと感じつつも何も出来ないというもどかしさが滲む。まあこの種の通過儀礼みたいなものは本人らが解決するしか仕方ない。

 その結果、その微妙な齟齬が最終的にトキオの命の危険にまでつながってしまう。ここでクラウディア姉さんのまさかの助太刀がなかったらトキオは死亡で、カナタは一生拭えないような心の傷がザクッと入っちまって再起不能になるところだった。下手したら寄生されて操られたトキオをカナタが成仏させることになる超ハード展開もあり得たが、さすがにこの作品の場合、それをやったら作品がまとまりようがなくなるから(そんなハードな展開、後2話程度で解決しようがないし)。

 

 

話は大詰めに向かうが、決着は付くのかが不安になってきた

 で、トキオ抜きでシルヴァーストームに立ち向かうカナタ。なんか登場当初はちょい役かと思っていたマイケル君が大活躍しているな。このお坊ちゃん、やたらに仕切りたがるがまあ口だけではないようです。統率力もカリスマもそれなりにあるようですし、自分が先頭に立って皆を率いるという気概も責任感もあるというなかなかのリーダーです。岸田の代わりに日本の総理をやってもらいたいな(笑)。

 その一方で何やら陰謀劇も動いています。で、黒シャア君はその手先でしたか。だけどこのタイプって絶対に上の思惑通りには動かないってのがお約束なんですよね。シエルのボスも同じだったようですが、さすがにカナタを排除することを命じられても、シエルにはかなりの葛藤があったようです。ここで葛藤があるってところが、メイガスがただのロボットでなく人間に近い存在になっているという証明ですが。メイガスがただのロボットだったら躊躇わずに命令に従うか、ロボット三原則に基づいて作られているタイプのロボットだったら、人工頭脳がエラーを起こしてプスンと活動停止ですわ。そして葛藤するシエルを助けたのは、やはり上の命令に素直には従わないひねくれ者の黒シャアですか。

 しかしここに来てこんな陰謀が飛び出してどうこうってことは、楽園がどうのこうのとかいうこの話の大元は解決しないんではないかという嫌な予感が・・・。やっぱり途中で放り出して「続きはゲームで」展開だろうか。

 話の方はいかにも佳境めいてきて、あのドロンボー一味まで脇でウロチョロするというオールスターキャスト展開になり、お約束通りに一番良いところでトキオが復帰。「いくぞ、相棒!」「はい」っていう超お約束の見せ場まで作ったんですが、案の定ラスボスの第二形態まであったようです。やっぱり最終話はこいつをぶっ倒すところまでで、楽園云々とかの話は有耶無耶になりそうな気が・・・。それでなかったら、ノワールが突然に覚醒して、すべての真相は覚醒したノワールの口からか、もしくは乱入してきた黒シャアの口から語られることになり、ドタバタの内に事態は進行、最後は数年後の話になって目出度し目出度しになるっていう強引なオチとか。

 

 

次話はこちら

anime.ksagi.work

前話はこちら

anime.ksagi.work