二度目の召喚設定の意味がほとんどないが、話自体は悪くはない
なんか予想以上に普通にファンタジーしているな。だけど内容的には意外なほどにまあ悪くない。もっともやたらにサブタイトルで強調している二度目の召喚ってことが、見事なまでに作品自体において意味をなしていない。単に主人公がいきなり無双で、しかも最初からこの世界の事情に通じていることに対する説明以上の意味が全くない。結局は序盤のモタモタを省いて、いきなりクライマックスのご都合主義ファンタジーってだけで。まあ別に今時の異世界ファンタジージャンル自体がご都合主義の集大成だから、それで話がうまく回るなら、ご都合主義も予定調和の内だが。
ご都合主義をエンジンにサクサク進むストーリー
で、今回はいきなり前回呼び出したリヴァイアと超巨大イカ(クラーケンかな?)の「怪獣大戦争」から始まる。リヴァイアはイカの墨浴びながらも何とか勝利して、イカはセツの手によってまんまとリングフライにってか。まあイカリングと言えばイカ料理の定番だが、あえて無粋なツッコミさせてもらうと、あのサイズのイカをどう調理しても、あのサイズのリングフライに出来ないはずなんだが。そもそもイカリングは胴体を輪切りにするからリングになるのであって・・・。セツはゲソを刻んでいたようだが、ゲソではリングにならんし、輪切りしてもあのサイズにはならんだろう。それともわざわざ無駄を大量に出して、リング型に繰りぬいたのか? なおさらに補足をすれば、クラーケンのモデルになっているとされているのはダイオウイカだが、ダイオウイカは実際にはクソまずくて食えたものでなく、あんなもの喜んで食うのはマッコウクジラぐらいだとか。普通にフライにして美味いんなら、あいつはダイオウイカでなくて超巨大モンゴウイカあたりか。ズングリした胴体はモンゴウイカの特徴だが。
そしてリヴァイアが美少女に変身できるってのは、いかにもファンタジー的ご都合主義。しかし海の王者が陸で何を出来るんだって思ってたんだが、結構この姿でも無双なようです。本当に都合の良い設定だな。そして魔大陸の村でイカリングパーティーをやっていたら、それを襲撃と勘違いしたブラッドがやって来て、彼から魔王の苦境を聞くと。まあなんて都合の良すぎる展開。本当にこの作品って、段取りとかそういう回りくどいことを一切省くな。明らかにちょっとモタモタした展開したら直ちに打ち切られるジャンプ型システムに過剰適応した作品だな。まあなろうも基本はジャンプと同じようなものだからな。
クラス丸ごと召喚設定はどうなるんやら
とりあえず魔族と人類の間で戦争を煽って暗躍している黒幕がいると。まあ現実世界ならそれはいわゆる死の商人そのものなんだが、ファンタジー世界ならそれだけだと弱いから、その死の商人を裏から操ってこの世界の制覇を目指している魔族的な輩がいるってあたりが普通のオチか。
魔大陸での件に一応の決着をつけたら、セツは一旦王都に戻ってそこで魔法使いとして成長した夕陽と元の仲間の誰かを加えてパーティーを結成して黒幕を叩きに行くって展開辺りかな。でないと二回目召喚の意味があまりになさ過ぎるから。もっともこれでも「クラス丸ごと召喚」の意味は持ってないな。これに無理矢理意味を持たせようとすると、真の黒幕は野心満々のデスティニア国王で、その手先に仕立てられた元クラスメイトと死闘を繰り広げるという展開か。この展開はうまくやればハード展開に出来るんだが、まあそれはやらんだろうな。もしハード展開する気なら、これまでにクラスメイトとの関係をもっとしっかり描いておく必要があるんだが、それが一切なかったから。クラスメイトは夕陽以外は単なる背景レベルだったからな。ぼっちのセツなら、クラスメイトを敵に回しても何の躊躇もなく魔法で一掃しそうだからな。
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