解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ　第3話「ダリエル、昔の職場へ行く。」

ダリエルの有能さが目立つが、そもそも上司が無能すぎないか?

　ざまぁ系の王道、「自分が抜けたら昔の職場が滅茶苦茶になっていた」の展開です。ダリエルは部下からの信頼も厚かったということのようで、彼の代わりにバカ上司が縁故で起用した奴はどうしようもなかったという、主人公アゲのバカ上司サゲというコテコテの展開になっています。まあざまぁ系の場合、主人公の能力を見抜けなくてリストラした結果、実は影で主人公に支えられていた元職場が崩壊していく様を見せるってのが主眼でもありますから。で、それを会社で無能扱いされている奴が見ながら「俺様だっていなくなったら、今の会社が突然にガタガタ、そして転職先で俺様大出世」って妄想しながらウハウハする作品なんで。転生無双系は明らかに作品のターゲットがヒキニートっぽかったが、ざまぁ系はターゲットがうだつの上がらない社会人向けって気がすごくするんですよね。

原作コミック発売中

　それにしてもダリエルって有能すぎですな。何か変態仮面になって魔王軍撃退していたが、自身が魔法使えないのに呪文の詠唱タイミングが分かってるってあり得ないわな普通は。部下の管理にしても万事かなり有能なのは明らかなのだが、これをリストラした上司が無能すぎるというか、バカすぎるというか。どうやら魔法が使えないという理由だけでリストラした差別主義者のようだが。まあ古今東西、差別主義者はバカ(というか、バカが差別主義者になる)ってのは常識ではあるが。にしてもいくらなんでも、あり得ないレベルの無能と違うか。あそこまでとなったら、単なる無能でダリエルの実力を把握していなかったというよりも、何か個人的な恨みがあるって方が普通だが。まあ普通に考えたら、あのバカは有能な親父に対して強烈なコンプレックスがあり、その親父がダリエルを重用していたから、自分が権力持ったら真っ先にクビにしてやろうと考えていたってぐらいかな。

　もっとも「ざまぁ」は結構なんだが、この作品ってそれ以外何もないよな。話がどこを目指しているのかが全く見えないんだが。タイトルに反して単純にスローライフ系ではないようだから。