結局はあのアホ勇者の使いっ走りをしているレイン
前回、アホ勇者一行をボコボコにしたが、それでも根本的に懲りていないのがあの連中。結局は「魔王を倒すのに必要だから」と迷いの森とかにある盾を取ってくるようにレインに依頼。正直「はぁ?」となるところだが、それでもレインは「魔王を倒せるのは勇者だけだから」とそれを引きうける相変わらずの異常な人の良さ・・・なんだけど、何かこれがおかしいんだよな。
そもそも「魔王を倒せるのは勇者だけ」ってそれが本当か?ってこと。散々無能とバカにしていたビーストテイマーにボコボコにされるようなヘボ勇者が、装備を整えたらそれで倒せるような魔王だったら、現実にはレイン一行が瞬殺なんじゃないのか? それとも魔王は勇者の血にでも弱点があるのか? まあファンタジーではありがちですが、そもそも勇者ってのが最初から決まってるというのがおかしな話で、本来は多くの冒険者や戦士の中から優れた業績を上げたものが勇者という称号で讃えられるべきもの。それが勇者の一族だから生まれながらに勇者とか、魔王を倒せるのは勇者だけとか、何かまるで貴族社会や階層社会を正当化するように感じて、こういうところが今時のファンタジーの一番いけ好かないところ。国会議員の息子に産まれたら、どれだけアホでクズでも国会議員になるってのと同じに見える。
そもそも勇者の装備集めって、その度に何かの試練があって、それを乗り越えることで駆け出し冒険者が心身共に鍛えられて最後は伝説の勇者にまで成長するってもんだろう。装備集めるのも自分でできずに、他人に依頼するような奴が勇者と呼ばれる資格あるか? そんなので魔王に勝てるのか? もしそんな勇者に倒されるような魔王だったら、それって世界の脅威か? 何か不合理の連発で納得いかん。そして何の根拠であの馬鹿が勇者なのかが一番の謎。何か最近のファンタジーって、すべての能力が生まれつきとか、神から突然与えられるとかで、努力の要素を完全に省いてるんだよな。いかにも今時とも言えるんだが、これってある意味でかなり危険な考え。まあ「たかが創作に青筋立てて噛みつくなジジイ」という声が聞こえてくる気はするが。
盾を取りに行った迷いの森は名前からも分かるようなお約束の場所でした
で、盾を取りに行ったのは「迷いの森」。もうこの名前聞いただけで「魔法の結界でも張って、侵入した者が絶対迷うようにしてるんだろうな」と想像がつくが、まさにそのお約束のままの仕掛けがありました。魔法に通じているタニアがそれを発見して、結界の大元を探知、カナデが力技でそれを破壊しようとしたところで、それは堪らんと慌てて飛び出してきたのが結界の守護者の精霊族のソラという展開。もうこれだけで「ああ、彼女もレインの一行に加わるんだろうな」というのが想像つくんだが、HPを見てみたらやはりそうなる模様。
というわけでお約束のウハウハハーレムパーティーに向かって一直線ですが、その前にハートをキャッチして手なづけるための行事が必要なようです。単純馬鹿のカナデは餌で手なづけられましたが、プライドの高いタニアは力で相手をねじ伏せることで心服させてます。今回はサラのさらわれたという妹を助けるというクエストが発生のようです。相手は魔法が一切通じない敵とのことで、これはカナデとレインが二人がかりでボコボコにするってところでしょうか(魔法は通じないとのことだが、タニアのドラゴンブレスなら通じる可能性もあるが)。どうせこれも楽勝で、それでハートをつかまれた精霊族姉妹がレインにテイムされて、今度はレインが無双の魔法力を獲得してさらにチート化するって展開か? ハーレム作りながら、他力本願でチート化。何か今時のオタの妄想なのかもしれないが、あまりに棚ぼたすぎて面白味が少々ないな。完全にお約束展開を踏襲するようなら次回辺りで落ちるかも。
カナデ「この際、ついでに魔王も私たちで倒さない。」レイン「しかし、魔王を倒すのは勇者でないと。」タニア「魔王討伐ってそんなもんじゃないと思うけど。」サラ「勇者とは本来は努力によって心身を鍛え、他人を思いやる心を持つ人物に与えられる称号。レインにはその資格があるわ。盾を守護してきた私には分かる。」レイン「分かった・・・。早く平和が来た方がみんなも幸せになれるしな。」・・・魔王「まさか、勇者でもないお前がなぜこれほどの力を。」レイン「魔王、勇者とは勇者として生まれるものでなく、勇者になるものなんだ。それにこれは俺たちの絆の力だ!!」魔王「うわぁぁぁ」って展開になるならまあ納得はできる。それが面白いかは別だが。
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