白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

異世界薬局 第10話「黒死病」

帝都が検疫でてんやわんやの中、恐れていた報告が

 帝都で入国船の検疫に臨むファルマたちだが、人手が不足しているのは否定できず、検疫で大混乱の中で入港を急ぐ船長たちにはイライラが・・・ってまあそうなるわな。生ものとか積んでたら、確かに入港が遅れると商品の劣化につながるし。それにそもそも商人は商品の回転で稼ぐんだから、その回転が遅れればそれだけで商機逸失につながる。ファルマの弟子がもっといれば良かったが、そこまでの体制はまだ作れなかったろう(まあ当たり前ではある)。

   
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 イライラが募って一触即発の危険時に駆けつけてきたのは、あの飴ばっかり買っていたジイさんか。あのジイさん、絶対に世を忍ぶ仮の姿だろうとは思っていたが、海軍提督だったとは。乗員の壊血病予防でファルマの世話になっているから、ファルマには恩義を感じているという。それに病原菌に対する知識もファルマの薫陶でか、いくらか持っているような雰囲気。それにしても勝手に偉いさんに次々と贔屓されていくファルマ。これも薬神様の加護か?

 そんな時に、検疫逃れで別の港に密上陸した船からペスト感染が広がったとの報が。こういういつでも目の前の利益しか考えない奴が出るというのはお約束。パニックものの定石ですな。自分だけが助かろうとか、利益を取ろうとして全体を危機に陥れる馬鹿。今までは「いくらなんでもそこまでの馬鹿なんているか?」と疑問を感じていたんだが、最近の世の中を見ていると「悲しいけど、本当にこのレベルの馬鹿っているようだな」と確信せざるを得なくなった。大体日本なんて政府自身がそのレベルだから。なんせ一番検疫を強化しないといけない時に、感染多発地域からの観光客を総理自らノーチェックでウェルカムしたんだから。しかもそれが、その国のトップを招いて自分が良い格好したいという超個人的な理由で。

 

 

単身現地に駆けつけて大活躍するファルマ

 エスターク村壊滅の急報にファルマは薬神様の杖に乗っかって現地に急行。この杖ってそんな能力もあったのか。段々とファルマが無双化してきている。今のファルマは配下に暗殺部隊まで所有してるしな・・・。現地ではパニック状態で暴徒化寸前の人々をどう抑えるかになったが、町丸ごと氷で封印するぐらいの桁外れの大魔力を見せた挙げ句に、「こちらにおわすお方をどなたと心得る。恐れ多くも宮廷薬師様なるぞ!!」という封建的権威を見せつけて駄目押し。ここまでやられると庶民共は「ははぁ」とならざるを得ないという。

 そして迅速に町内を三分類で隔離ですか。ところで一番最初にエスターク「村」と言われてましたが、城壁完備でこの規模って普通は「町」じゃないかって気がするんですが・・・。まあその辺りは小さなことですが。村のお偉いさんと思われる人物は、重病患者を特定区画に隔離すると聞いた時に「まさかまるごと見殺しにする気では」という懸念を一瞬感じたのが明らかですが、それを真っ先に否定するのはファルマは意外と人情の機微が分かっています。実際にこの時代の医療レベルだったら、疫病の拡散阻止のためには感染者を隔離して区画を丸ごと人ごと焼きはらうなんてことを平気でやる可能性がありますから。ファルマは抗菌剤で対抗するつもりのようですが、実際はペストに対する抗菌剤の効果ってどれぐらいあるんでしょうか? まあこの時代だったら、まだ耐性菌とかも存在しない状況ですから、抗生物質とか抗菌薬の効果は現在の数割増しぐらいになる可能性はありますが。

 ところで前話の様子だと、今回のペストの拡散については明らかに害意を持って意図的に拡散した輩がいるというニュアンスが見えたのですが、それはどうなったんでしょうか? 親父さんが見た夢の意味は? その辺りはまとめて次回、次々回で解決するんですかね。

 

 

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