白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

異世界薬局 第11話「エスターク村の奇跡」

バイオ兵器に対して抗生物質で対抗か

 唐突にカビを研究していた研究者なんかが話に無関係に登場するから、こりゃ抗生物質作るんだなと思っていたら、やっぱりそうですか。ストレプトマイシンを作るようですね。これはペストにも適用がある抗生物質。今のところはファルマが化学式から魔法で合成しているが、カビから培養できたら大量生産が出来るし、ファルマがいなくても作れる。結核にも効くらしいし、まあ今後のことを考えたら帝都でストレプトマイシンの量産体制を作ろうってことでしょう。

   
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 一方でエスターク村で奮戦中のファルマはとりあえずは村を小康状態に持ち込む。後は密上陸した連中の追跡だが、どうやら奴らは欲の皮を張っていただけでなく、意図的にペストを流行らせようとしていた連中が混ざっていたとのこと。ようやくハッキリとした「敵」が登場したようです。目的は帝国に対する侵略というところか。典型的なバイオ兵器ですな。もっとも攻撃かける側も特効薬を持っていないバイオ兵器なんて、実際は自殺兵器に等しいんだが。それともただの破壊目的のテロ行為か? しかしそれならわざわざこんな大がかりなことをする意味がないんだよな。何かわけの分からん信仰の狂信者か、帝国に個人的恨みのある奴か。

 で、その犯罪の背景にファルマの親父の過去の記憶が絡むんだろうな。どうやら彼の同僚で人体実験やって処罰された奴がいる模様。いわゆるマッドサイエンティストというものでしょうか? 科学者が皆、立派な良心を持っているとは限らないので。実際に原爆とか開発した科学者もいるわけだし。知的探求をしている内にそれが倫理をすっ飛ばしてしまったのがいわゆるマッドサイエンティストだが、そうではなくても保身や出世欲や利権などで倫理をすっ飛ばす科学者は結構いる。かくいう私も一応は研究者の端くれ(まあ世界を一変させるような大研究とは無縁だが)だが、莫大な褒章なんかを見返りにされれば、本当に最後まで倫理を貫けるかと言えば完全な自信はない。

 

 

帝都危機一髪の危機を鎮めて大団円ってところか?

 その犯罪者共が持ち込んだ小動物(ムササビでしょうか?)が帝都に解き放たれて帝都危機一髪。ただこれを運んできた騎士連中、彼らもほとんどジハード状態なんですが、大丈夫なんでしょうか。実際に彼らに協力していた船員連中は次々とペストで倒れていたようだし、彼らが運んできたムササビも既に死んでいるものは結構いた模様。普通に考えたらあの騎士連中自身もそろそろ危ないはずですが・・・。それとも彼らだけは密かに薬でも与えられていたか? 上でも言ったけど、特効薬を持っていないバイオ兵器なんて自殺兵器みたいなもんですから。だから逆に言えば、帝国だけがペストに対する有効な特効薬を所持して、他の国がそれを持っていないとなったら、帝国にとってはペストを細菌兵器として使用するという選択肢があり得るという話でもあるんです。

 まあこんな状況がありましたから、エイズはアメリカが開発中の細菌兵器が漏れ出したものって陰謀論もまことしやかに囁かれたことがあります。つまりは特効薬を開発してから使用するはずだったのが、その前に流出してしまったと。こんな説が出た理由の一つはエイズウイルスの原産国がアフリカと言われているのに、最初に感染が広がって問題視されたのがアメリカ国内だったから。もっともあれが細菌兵器だったとしたら、濃厚な血液感染しかないなんてのは感染力が低すぎて失敗作ですが。さらに同様の陰謀論はコロナ流行の時にもありましたね。中国が極秘で開発していた細菌兵器という説。

 とにかく最後の最後で本作初の極めて明確な「敵」が登場したことで、クライマックスがやってきたようです。今まで戦闘は全くしなかったファルマですが、ここまであからさまな敵に対しては鎮圧行動をせざるを得ないでしょう。もっとも薬神様は戦闘力でも無双ですが。とりあえず敵を鎮圧、ペストも本格的に広がる前に何とか鎮圧(ピエールさんが責任者になってましたっけ?)で、目出度し目出度しって大団円か? ただし最後に今回の陰謀を目論んだ背景に一部謎が残って、それがあわよくば第二期の伏線ってところかな(ただし第二期が登場することは結局はなし)。

 

 

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