作品は全く盛り上がらないままクライマックスへ
いやいや、全く盛り上がりに欠けるまま話は佳境へと参りました。今回はいよいよ大ボス戦のようですが、そのまえに怪しい力を取り込んだヴァルターがモンスター化して大暴れします。しかしそいつも無双のユージ様の前で火焔呪文だけであっさりと屠られてしまいました。「やけに呆気なかったな」のユージに、「えっ、なんでワシ生きてるの?」のシュタイル司祭。するとヴァルターは自らを贄にして真の大ボスを呼び出すと。おいおい、ヴァルターまで生け贄って、丸ごと自殺教団だな。ハッキリ言って何をしたいのか分からん。とにかく今の世の中を憎んでいて、世界を巻き添えにして自殺したかったのか?
そしてヴァルターが呼び出したのが、圧倒的な力を持つ過去の賢者。立場的にはユージと同じような立場だが、あっちの方が力は上のようだ。ただシュタイル司祭の昔話では、ドラゴンに立ち向かって敗北して命を落としたというような話をしていたが、ユージは大陸吹っ飛ばしたドラゴンをあっさりと倒してるんですが・・・なんであっちの方が強そうなの? なんか良く分からん。
世界の滅亡を目論むカルト教団って意味不明
で、その賢者様は世界浄化という名の滅亡に追い込もうとしているようだが、結局ヴァルターたちって本当に何をしたかったのか意味不明だな。いくらなんでも世界征服を目指すならともかく、自分を犠牲にして世界を滅ぼすなんてそんな意味不明のこと、アルカイダでも統一教会でも目論まんぞ。多かれ少なかれ、いくらカルトでもトップは現世利益を追求するのに、何で純粋に世界の滅亡を願ってるんだ?
今回はこの作品で初めてユージを越えるかもという強敵が出現で、ユージも「まずいな」ということは呟いてるんだが、それが全く緊迫感を抱かさせないのがこの作品のすごいところ。演出がマズいのか、主人公の棒な台詞回しがマズいのか、そもそも台本の設定がまずいのか、まあいずれもマズい気がするが。戦闘シーンはワンパターンの、しかも魔法転送しての遠隔操作ばかりだから緊迫感がどうしても出ないし(モニターのこちらからドローンで戦争しているみたい)、主人公の台詞回しの平坦さには感情の揺れを全く感じないからいちいち冷水を浴びせられるみたいだし、そもそも主人公がこれという目的を持たずに旅をしているから、何でこんなことに首を突っ込むのかってのも意味不明だし。この展開でここまで盛り上がらないって、ある意味で奇跡的だと思うわ。
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