白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

リコリス・リコイル 第9話「What’s done is done」

千束の命にタイムリミットが

 狙われたのは千束の人工心臓で、ただし摘出するでもなく、ぶっ壊すでもなく、要は外部からのアクセス機能を破壊することで充電不可にして、使用期限に制限をつけたと。これで千束は余命2ヶ月程度とのことという急展開。

   
Blu-rayの発売が既に始まっているのもいかにも今日的

 もっともなんでわざわざこんなことをするのかが良く分からん。あの組織の考えていることが謎なんだな。組織の意向に沿って動いていない千束に対する見せしめってならさっさと殺してしまっても良いような気がするが。ちなみに千束は相手の銃弾を至近距離からでもかわすので銃殺はほぼ不可能という話だが、弾道を見て避けているわけでなく(人間の反射神経と運動能力だとこれは無理)、相手の筋肉の動きを見て弾道と発射タイミングを見切って避けているわけだから、ゴルゴに背後からスナイプされたらひとたまりもないはず。

 すぐに殺すのでなく、あえて時間を置くことによって相手に組織に刃向かったことを後悔させるってのもよくあるが、千束自身は組織に刃向かったという意志は全くない(むしろもろに善意に受け取っているから、提供者の意志に答えているつもりでいる)から無意味だし。まあ組織に刃向かったことを後悔させるとしたら標的はミカか。

 

 

妙に淡泊に見える千束にやや嫌な予感が

 にしても千束に「元々もらった命」ていう感覚があるのか、ここまでのところは自分の命があとわずかということに対する動揺とか悲しみとかが全くないんですよね。まあ回りを気にして表に出さないとしても、実はもうすぐ死ぬということに対する悲しみぐらいの表現はあってもいいと思うんだが・・・ラグビーボール磨きながらそこに涙が落ちて「死にたくない、死にたくないよ・・・」なんて(笑)。まあそこまでベタな表現はともかくとして、植木鉢から生えてきた芽を見ながら「これが花咲く頃には私はもうこの世にいないんだよな」とボソッと呟くとかぐらいはあっても良いような。たきなやミカのことを実は気遣っているにしても、これだとあまりに千束が前向きと言うよりも脳天気のお馬鹿に見える。

 で、例の厨二テロリストも何やら活動を始めた。こいつも何を目指して行動しているのかが意味不明なんだな。結局この辺りの各人の思惑とか、組織の存在理由とか目的とか、その辺りも含めて綺麗に説明した上で、最後にドラマとして上手く締めることが出来るんだろうか。この作品の最終評価はそこにかかってきそう。ここまでは悪くはなかったんだが、終盤に向けてドタバタし始めた頃辺りから正直嫌な予感が過ぎり始めている。

 

 

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