メノウの過去と共に彼女の動揺を描いている
第4話はお約束のようにメノウがアカリのペースに巻き込まれて段々とアカリに対して情が移ってくる話を展開していました。これは当然来るべき展開でしょう。結局はモモが警戒していた「アカリは危険」というのがまさしくそうです。メノウはアカリを油断させるために親密を装っているだけと自分自身には言い聞かせているけど、実はそうでないという本音が垣間見える描写が入っていたのはお約束ですけど上手いです。
そしてメノウの過去について尺の半分を費やして、彼女がどういう経緯で処刑人になるを選んだかが描かれてましたが、これはそろそろ来るべきエピソードですね。これによるとやはり彼女は感情がかなり薄いように見えてはいるが、本質的にはかなり優しい少女であるということを示しています。それ故に今までかなり自分を殺して世の中のためとして任務に励んでおり、今回もかなり自分を殺しているということです。
第5話での暗黒面噴出の急展開は良しだが
そして第5話で怒濤の急展開をしますが、ここでそういう展開を持ってくるのは正解でしょうね。実際にメノウがアカリに対して「対人関係の距離感がおかしい」と言ってましたが、実のところそろそろそれがかなりウザく見えてきていた頃なので。正直なところ、いきなり相手の懐に飛び込んでしまうアカリの対人距離って異常なんです。これも一種のコミュ障に思える。要するに相手に対する依存症の傾向が見える。この辺りを見ていたらアカリも元の世界で何か問題を抱えていたのではということを感じさせる。元の世界に戻すと言われて仕方なく従っているが、どうもそう積極的に元の世界に戻りたいと思っているように見えない。「元々私のいる世界じゃないから、戻れと言われたら戻らないと仕方ないよね・・・。」ぐらいの感覚に見える。恐らくアカリの問題はこれから明かされるんでしょうけど。
で、大司教様オーウェルは何か裏があるという雰囲気は最初からプンプンと漂っていましたが、ああも露骨すぎる裏があるとは。さすがに老いに直面してああまで露骨に我欲をむき出しにするとは人間の暗黒面をかなり強烈に描いています。こういう人物描写の特徴から見ても、やっぱりアカリにはまだ語られていない強烈な暗黒があるように思えるんですよね。そしてそれが最終的にメノウと共鳴していくことになってストーリーが展開するんだろうけど。
もっともここの段階でラスボス然とした人物登場とは、先の展開と作品全体の落としどころが見えませんね。まあどうにかして一旦は逃亡に成功するんでしょうけど。単純にラスボスオーウェルの討伐という話ではなく、最終的にはこの世界の理自体と対決するような話になるような気はする。とは言うものの、恐らくそういう構想をしているのは原作の方で、結局はこの作品も12話で途中で尻切れトンボなんだろうけど。ホント、こういうのって最初から興醒めだな。
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