白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

怪人開発部の黒井津さん 第6話「見えざる力に虐げられた純朴な魂は、(以下略)」

やや時期のずれたバレンタインネタ

 いきなりバレンタインネタですが、一週間ほどずれてるのが残念。本来はバレンタインピッタリに放送されるはずが、制作が追いつかなかったのか第2話を再放送したりしたせいで一週ズレたのでその影響か。完全に商機をずらしております。それにしても「勝機」でなくて、一貫して「商機」だったので、「怪人って商材なのか・・・」って冷静なツッコミが笑えるわ。

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 首領のアカシック様の直々の入れ込みでバレンタイン向けチョコ怪人を開発することになったは良いが、想定外のチョコ納入業者のリコール問題発生、折角開発されたメルティちゃんはそのまま廃棄処分の憂き目に・・・。「いや、別に食べるわけじゃないから」というごく当然の抗議もコンプライアンスの鬼たるメギストス様には通じずか。それにしてもメギストス様って、首領のアカシック様にまで正面から反対するんだな。しかしアガスティアってとことんホワイト企業(笑)。

 で、ブレイダーは人生初めてのバレンタインチョコを受け取ることに・・・ってそれで良いのか? それにしても黒井津さんの方はともかくとして、ブレイダーの方は相手の正体に気づいていないのか? 何か普通に弁当屋のアルバイトと常連客の関係が続いているようだが。

 

 

ブラック企業の中間管理職の悲劇

 後半は佐田巻博士の同級生ことドクター峰円が登場。例によってブラックロアは「大企業だが滅茶苦茶ブラック企業」っていうのを絵に描いたような組織のようです。で、実績の上がっていないドクター峰円はリストラの危機に怯え、実績をでっち上げるべくアガスティアに怪人の共同テストを持ちかけてくるが・・・って、こういうサラリーマン事情的なところになると急にリアリティがあがるんだよな、この作品。

 ドクター峰円が開発したのは共に心理攻撃の得意な怪人だが、ヒュドラに勝負を売った方はヒュドラはビビらせられたが、4人のお姉様にまで手が回らずにボコられる羽目になり、ウルフくんに勝負を挑んだ方は見事にウルフくんを妄想世界に沈めたのだが、彼が黒井津さんに対するこだわりが強すぎたせいで幻覚が打ち破られて敗北と散々な結果に。それにしてもウルフくん、どうやら本格的に黒井津さんに惚れてしまってるようだな。精神は中学生男子ぐらいと言われていたが、実際に厨房の妄想全開なような展開をしていたし。

 こうして散々な評価を受けることになったドクター峰円なんだが、彼女の怪人の精神攻撃が直属上司の赤マント将軍に発動してしまって、結局は組織に対する恐怖に駆られた彼の方が辞表を提出してしまうことに・・・って、これも妙にリアルだな。部下が実績を上げられなかったら、回り回って直属上司の評価にも結びつくからな。結局はああ悲しき中間管理職という奴で、実際に中間管理職の自殺とかも多い。まあ彼はまだけつまくって逃げ出しただけマシですわ。実際には管理職になってしまうと下っ端のように簡単に逃げ出す選択も出来ず、押しつぶされた挙げ句に死んじまう場合が多いから。

 というわけで相変わらずのサラリーマン物語の時がやはり一番しっくりくるのがこの作品のようです。ところで水木さんの派遣物語が完全にローカルヒーローを紹介するための付け足しになってしまっていて本編とは完全に無関係なんだが、これはこれでいいのか?

 

 

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