白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

怪人開発部の黒井津さん 第5話「深淵に住まいし魔物との契約は、(以下略)」

重要ミッション、稟議書の印鑑集め

 いつものように無意味に長すぎるサブタイトルは一部割愛は毎度のこととして、今回は最初の頃のサラリーマンあるある的な話になってました。やっぱりこの作品ってこういう内容の時が一番しっくりくるな。今回は結構面白かった。

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 まず前半はサラリーマンなら苦労した経験のある者は少なくないという稟議書の件。いかにも日本的に事前の根回しが大切で、もう既に最高責任者の了解は得ているのだからそのまま進めれば良いようなものなのに、形式として稟議書の印鑑集めが必要なんですよね。この日本的悪習、デジタル時代になってもなかなかなくなっていない。たまに「印鑑押す時に自分のポジションと権力を実感できる」ということでこの形式にこだわる昭和の遺物みたいな役員がいて抵抗したりするとか。おかげでリモートワークの時代になっても、印鑑もらうためだけに感染の危険冒して出社する必要に迫られたりする。

 しかもさすがに山奥に隠棲している奴はいなくても、結構幹部捕まえるのって大変なんですよね。出向いていったと思ったら「出張されていていません」とかいうのはしょっちゅう。何だかんだで数日は空費して、無駄に行き来する羽目になったりする。しかもその挙げ句に「書式が間違っているから作り直してください」とどうでもいいようなことをわざわざ自慢げに指摘して修正求めてくる事務屋(どうも彼らもこういう時に自分が権力を持っているという気持ちになるらしい)が出てくるってこともありがち。いかにも不合理で非効率な日本の組織の縮図ですわ。この作品って前から、こういうサラリーマンの悲哀に関する話は妙にリアルなんだよな。

 

 

労働環境は大切です

 後半は突然に登場するイケメン(ブレイダーの中の人?と思った)に驚くが、あれがいつも怪しい眼鏡を付けている博士の素顔だそうな。眼鏡外したら美少女というパターンと同じか? そしてそこにやって来る別の悪の秘密結社の研究員。彼女は博士の同級生とか。なんか昔からいろいろと因縁があって、どうも本心で博士のことを非常に意識している模様。やたら怪人の性能をアピールして自らの優位を訴えるが、博士の方はそういうのを競う気は微塵もない模様。典型的な「回りから孤立しながら突っ張って生きてきた天才少女」というパターンの模様。

 それにしてもプレミアムフライデーとは・・・。確かにあったな。もっともあんなもの世間的には全く相手にされてませんでした。比較的ホワイトに属すると思われる私の勤め先でさえあれは相手にしてませんね。ノー残業デーはありますが。しかし超ホワイト企業のアガスティア(何しろ最高幹部自ら率先してコンプライアンス遵守ですから)ではプレミアムフライデーが制度として残り、ワークライフバランスも考えられていたか。なお開発部は突貫作業の残業が多いですが、一応残業手当は出ているようですね。この事実に大企業だが自らの職場がブラックだったことを知った彼女は衝撃を受けると。うーん、これってやはりマジでありそう。大企業だから労働条件しっかりしているとは限らないから。大手のくせに超絶ブラックで問題になる企業って日本では目白押しです。なんかこんな辺りも妙にリアルなんだよな・・・。

 というわけで、やっぱりこの作品は「サラリーマンあるある」やってる時が一番しっくりくるし、私としても見ていて面白いようです。ただ最近はブレイダーの出番が全くないし、後で付け足しのように登場するローカルヒーローは何なんでしょう。

 

 

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