白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

現実主義勇者の王国再建記 第19話「奇貨おくべし」

マッドサイエンティスト登場

 いつもわけの分からん故事成語が登場したりするこの作品だが、今回の「奇貨おくべし」は超A級に有名な言葉だな。最近はキングダムが人気だから始皇帝関連で知っている者も多いだろう。商人の呂不韋が趙で冷遇されていた真の王族の子楚と出会った時の言葉ですね。意訳したら「これは使える」ってところ。さらに超意訳したら「チャーンス」ってぐらいか。実際に呂不韋はこの子楚に金を使って結果として彼を秦の皇帝にする。そしてその息子が後の始皇帝こと政です。

  
Blu-rayも出るようで

 で、今回登場した奇貨はルドウィンの幼なじみでマッドサイエンティスト扱いされているジーニャです。魔法万能のこの世界で魔法以外の理(要するに物理学などの科学だが)を研究していると言うのだから確かに変わり者である。しかしそもそもこの世界の出身者でないソーマから見たら「むしろ普通に自然な考え方」ということになる。そもそも科学が存在しない世界で超科学と名乗っているのもおかしな話だが、確かこの国の言葉は全く我々とは異なっているはずだが、それがなぜかソーマの頭にはこちらの言葉として聞き取れるという話だったな。しかしこの辺りの科学の言葉の扱いはどうなってるんだとか思ってしまう。こりゃGoogle同時翻訳AIも苦労するぞ(笑)。

 そして彼女が発明したのが巨大ダイソン扇風機・・・にしか見えなかったな。まあそれはどちらでも良くて、肝は魔力を蓄積してエネルギーとして使用できるシステムを開発したということ。この世界の動力源は魔力をそこで使うか動物を使うかしかなかったんだが、魔力を蓄積して化石燃料的に使用できたら、確かにこの世界で産業革命が起こることになる。しかしそれはソーマが懸念しているように資源争奪戦争の火種にもなりかねないということで、目下のところはジーニャに研究は続けさせても、それを表に出すわけにはいかない。だからジーニャを抱え込むためにルドウィンに押し付けたと。もっともご両人共にそれに異存は無いようなので問題ないが。

 

 

もっとも科学っぽくても本当の意味では科学ではない

 ただ今回見ていると、ジーニャは科学者と言ってもやはり超科学なので、結局は魔法力が基本のところからははみ出していないようですね。科学という意味では、この世界でも蒸気機関とかは普通に作れるはずなんですが、未だにそこに至っている者はいないと。この世界に石炭があるかどうかは不明だが、薪は作れるんだから最低限の蒸気機関は可能のはずだし、いくら文系のソーマもさすがに蒸気機関の原理ぐらいは知ってそうだが、それを試みた様子はないですね。また同様に火薬もあまり使われてませんが、これについては全く存在しないというわけではないんでしたっけ? ただ魔法の方が威力があるので使われていないだけで。これも炭素と硫黄ぐらいは普通にありそうだし、硝石も作るのは可能なので、その気になれば黒色火薬ぐらいは出来そうですが。さらに言えば電気も登場していないが、発電機の原理自体は簡単なので恐らくソーマも知っているし、動力源は水力でもそれこそ家畜に引かせても可能なのだが、それもやってはいない模様。

 文系勇者として、やはり社会制度とか政治体制とかそっちの方の整備にソーマはまず行っているようですが、理系の人間としては「この世界って普通に産業革命の余地あるよな」というのは感じるところ。まあそもそも中世ヨーロッパをモデルにしている世界だから、この次の時代は産業革命だよな。

 今回はアイーシャが登場しなかったが、近衛師団長のルドウィンが同行するから護衛は不要か。それにこの手の話、お馬鹿なアイーシャだったらすぐに頭が飛びそうだし。

 

 

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