白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 第3話~第5話

キャラもよく描けているし、なかなかに快調な模様

 個性的なメンバーが次々と増えてきて、しかもそのキャラがことごとく立っている。にもかかわらず主人公のキャラが埋もれてしまわない。テンポも快調だし、描き方も上手いな。特に強烈なのは、藤のライバルこと天パの源。これがまた人タラシの落としの天才という。まあ基本が善良な人間だから、人の懐に飛びこむのが上手いということのようである。

   
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 第3話なんかはいわゆる「泣ける話」のパッケージでしたね。旦那が死んで寂しさから万引きを重ねている婆さんと、本音ではその婆さんのことを心配している孫という関係。そういう孫の心情をすぐに見いているのは、あの天パは単に人タラシというのではなく、それは相手をよく観察していることから来ている人タラシ能力だなってのが良く分かる。相手の考えが分かるからこそ心の内に入り込むことが出来るという。まあ共感力が高いんだろう。今はこれがない奴が多い。

 義父の介護を抱えている母親の元の不良息子・優太の話も結構泣ける話ではある。母親は疲れ切っているんだが、それでも義父の介護は最後まで全うしていた。それは誰に評価されることもない地味な隠れた作業。爺ちゃんの死をきっかけにようやく優太も母親の苦労に気づいたと。突然に学校に登校しているのが分かりやすくて笑えるが。まあ不良と言ってもタバコ常習ぐらいでそう悪辣なことをやっていたわけでもなさそうだし。それと警察への絡み方を見ていたら、母ちゃんが爺ちゃんにかかりきりで寂しかったんだろうなんてことも見えてきたりする。

 

 

優秀でいて悪魔のような藤の存在感

 第4話はいかにものドタバタ。「お犬様」ってのが良かったが、警察犬は確かに扱いに特別なものがあるってことを聞いたことはある。愛玩犬とは違うので。で、前半で全力で走り回った川合は、後半もさらに全力で走り回る羽目になるという。この回は川合ちゃんがひたすら走っているだけの内容だったな。

 第5話は悪魔のような藤巡査部長の真価が発揮。前半はしっかりと刑事課の手柄を横取り。それも川合ちゃんを囮に使っての話。にしても彼女って、その優秀さは半端でない。車輌を見ただけで源の張り込みを察知して先回り、さらに逃走用の自転車を発見して細工済みなんだから。ただ職質しただけでなく、一旦逃げようさせといてから捕まえるというのが悪辣かつ巧妙。ただの職質だけだとあまり強引なことを出来ないが、ああやって逃げようとしたという事実があったら不審者としてしょっ引いて、たんまり事情聴取できますから。

 後半はさらに彼女の真価が発揮されている。容疑者をいたぶる時に生き生きキラキラと輝く彼女。いやー、見事ですわ。美人にもかかわらず中身はかなり強烈なオッサンレベルのキャラですから。しかしそれにもまれながら川合ちゃんとか山田とかの後輩が育っていっているという。この茶髪の山田も根は正義感があって真面目な良い奴のようですが。ただあからさまに視野が狭いというかKYだわな。

 極めて古典的かつ無難な作品なんですが、今期はかなりの不作ですから、もしかしたらこれが今期一番になる可能性も・・・。

 

 

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