白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

逆転世界ノ電池少女 第11話「きみを(今こそ!)信じたい!」

案の定、葛藤抱えてグダグダの細道

 ガランドールを奪って逃げ出した細道と宗方だが、案の定と言えば案の定、細道にはかなり葛藤がある。

     
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 結局のところ細道は、自分を捨てた父親に対する反発からアニメとかが好きだった自分自身の過去をも否定して封印しているんだが、そもそも嗜好なんてそんな根本的に変わるものでないから、今でも本音ではザバーンとかが好きなんだろう。また自分がはまっていたザバーンを父親が「失敗作だ」と言いきったことに対する落胆と反発もあるんだろうことは推測できる。

 ただよく分からんのはここでの父親の心理なんだよな。作家性の高いクリエイターがそう簡単に自身の作品を失敗作と言い切ることはない。考えられるのは、スポンサーなど諸般の大人の事情で自身の作品が歪められて、本来目指していたものとは異なる話になってしまった場合など。こういう時にどうにも出来なかった自身に対する自嘲も込めて「失敗作」と言いきる場合はよくある。後は自分では自信作だったにもかかわらず、時代に合わなかったなどの理由で巷に評価されなかった場合。この場合には「失敗作だ(世間的にはそうだが、俺はそう思っていない)」という意味になる。

 まあ何にせよ、ガキだった細道はそこまでの親父さんの心に気付かずに「失敗作」って言葉にかなり衝撃を受けたことは間違いない。そしてその後に細道と母親を捨てたってのもよく分からんのだが、あり得るのは自分が目指しているものを作れなくなった挫折感やその他で自殺しちまった場合。そんな場合、母親は息子に父親は死んだとは言えなくて、「遠いところに行ってしまった」という言い方をすることはある。そしてそのまま母親が死んでしまえば、息子としては「父は妻子を捨てて逃げてしまった」になる。

 もしそのような類いの事情があったとしたら、意外と細道よりは年長なオタであるバルザックがその真相を知っているというパターンがあり得るな。「あの天才と言われたクリエイターの最期は、一般的にはあまり知られていないが実は・・・」ってパターン。

 

 

飛び出した細道に対して、宗方も動揺がある模様

 で、とりあえずグダグダの迷いを引きずったままの細道は、りんの真っ直ぐすぎる呼びかけに完全にぐらついてしまった。それは宗方は当然に気付いていて、だから猫の話を出して「お前はそんな風に自分を見捨てて勝手に行ってしまわないだろうな」と釘を刺しているわけだ。宗方は完全に細道を食い物にしているが、宗方自身はあれでも細道のことを気にかけて面倒見ていたつもりの部分もあったんだろう。なんか彼も大きな挫折を抱えた人物な気がするな。

 そして案の定、細道はガランドールに乗って引き返すことになる。宗方もガランドールがなくなったら流石にあの連中も不利を悟って逃げ出すと思っていたのに、そこまでサブカルにこだわって命を懸けるってのは想像外だったんだろう。アラハバキの姿勢には「あいつらバカか?」とか「理解できない」とか思いつつも、動揺はしていたようだ。そういう点では彼でさえもある程度の情は移ってたんだろう。だから細道が戻ろうとした時も、本当の意味での妨害はしていない(細道の意志は途中でハッキリしてたんだから、力尽くでも物理的に止める方法はあったはずなんだが、結局はそれはとっていない)。だから最後の最後で細道の支援に回るって行動に出たわけだが。

 

 

謎パワーアップしたガランドールだが、秘密も問題もあるんだろうな

 またここに来て突然に登場した田中さんの正体。美少女ってのがこの作品らしくはあるが意味は分からん(笑)。彼女が諸々知っているようなんだが、その辺りの謎は最終回まで説明無しなんだろうな。どうも見ていると、彼女はこの世の人間ではないって雰囲気も感じるのだが。

 そして戻る細道に対して「状況に応じて少女をとっかえひっかえ好きに出来る究極の益荒男システム(確かにかなり人聞きが悪い)」というリボルバーシステム搭載の電池が飛ばされる。これってマジンガーZのジェットスクランダー並に燃えるシーンでもあるんですが、確かにオタク度高いわな。ところで、リボルバー合体する前のシーンで、ワンカットガランドールが電池ユニット背負っているシーンがあるんですが、これはミスでしょうか。

 で、田中さん言うには「ようやくガランドールが本来の力を発揮できるようになった」そうなんだが、バルザックは「浅草橋事件の再来」と恐れている。恐らくガランドールのパワーはマックス状態なんだが、ここで制御を誤ったら暴走する危機と紙一重なんだろう。その危機をどうやって回避するかって辺りも次回の鍵になるのか。

 

 

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