無理矢理に新世界を作っちまったレフ達
ありゃりゃりゃりゃ、本当にペレストロイカしちまったわ。あり得ないような甘々な展開だが、まあ宇宙に夢をかけたラブコメって展開だったら本作としては、まあこういう綺麗な収まり方が一番無難で、視聴者も納得できるだろうな。イリナは用済みとして処分され、すべては鉄のカーテンの向こうでシャットダウンされるのをレフは傍観するしかなかったなんて展開だったら、あまりにひどすぎるもんな。
それにしてもあの書記長らしき人物、普通なら無理やり押さえて黙らせるところを、レフの好き勝手にさせたということは、彼自身もこれを切っ掛けにして何かの改革を目指していたんだろうな・・・というわけでペレストロイカか? あれはトップが実行した革命だったが、彼も何か革命的なことを考えており、そのために守旧派をどうにかして押しきろうとしているんだろう。で、まんまとレフとイリナを利用したと。
それにしてもツンデレ姫のイリナは、ここに来て完全にレフへの想いに一直線になってましたね。もともと吸血姫は太陽の下はツラいのに、そんなことは意にも介さずレフに逢いたい、その声を聞きたいという想いだけで突っ走ってるんだから。結局はこの作品って、イリナがひたすらデレていく過程を描いた作品だった。
とにかく変わった作品だったな
それにしても宇宙開発を描く作品は多数あったが、ソ連サイドから描いたってのは珍しいな。普通はアメリカサイドからばかりなんでアポロから始まるってのがパターンなんだが、本作はソユーズで最終的にはガガーリンになった(レフがガガーリンってことか)。吸血姫なんて突拍子もない者を登場させる割には、宇宙開発に関する内容は結構リアルだったりするという。どうもその辺りが奇妙な印象を抱かせる作品だわ。
もっともそのせいで、宇宙開発史を描きたいのか、吸血姫のファンタジーなのか、どうも作品の主旨があやふやになった感はあるが。独得のクセの強いOP主題歌と共に、とにかく「変わった作品」として印象に残る物になったな。
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