白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

海賊王女 第11話「使命の果てに」

アベルは美しく昇天

 とうとうエデンにたどり着いたフェナと雪丸。しかしそれを追いかけて完全に逝っちゃってるアベルが登場。それにしてもいかにも財宝に目が眩みそうな上官っぽいのを連れてきていたけど、あっさりと撃ち殺ししまいましたね。あのタイプの俗物って、ああいう最後を遂げるというのはラピュタと同様のお約束。こういうところもなんか昔ながらの東映冒険アニメの伝統だわな。

  
Blu-ray BOXが出るようで

 二人の前に現れたアベルは完全に逝っちゃってて危ない状態。さすがのバーサーカー相手に雪丸も深手を負わされる。それにしてもブッスリと刺された時には「まさか雪丸死ぬのか?!」と思ったのだが、思いの外丈夫な奴のようです。普通はあれで即死する。

 正気を失っているアベルは倒すしかないのかと思っていたが、そこにまさかのヘレナ登場とは・・・。アベルはヘレナに逢いたいという想いだけでここまで来てたんだからな。ここからのシーンがあまりに幻想的かつ美しすぎてさらに悲しすぎるので、正直なところ私でさえウルッと来たわ。考えてみたらアベルも悲しい男なんだな。だけどあの暴走する想いに巻き込まれて死んじまった連中はどうなるんだって感じは確かにあるな。で、アベルは物語の中での使命を果たしたという言い方をされていたが・・・。

 

 

急にわけの分からん世界になってきた

 その挙げ句に死んだはずの親父が現れて、さらにそれがコーディと同じ人物で、しかも「我々は君という物語の観測者だ」ときたもんだ。かなり気を持たせる言い回しだ。いろいろなパターンが考えられるだけに。

 一つはこの世界は神が描いた物語のようなものであり、これからの進み方を決めるのは君の選択次第だというようなファンタジー的な比喩的表現。もう一つはもろにこの世界自体は超越した誰かが仕組んだものであり、その進路選択はフェナの選択にかかっているというSF的な世界。さらにはこれは物語の世界であって、我々はそれを外から見ている視聴者だというメタフィクション的な世界観。まあ最後のパターンはちゃぶ台返しのドッチラケになるので、これはとって欲しくはないが。

 こうなってくるとそもそもこの作品の世界設定自体が奇妙なんですよね。中世ヨーロッパ的な世界に突然に登場する真田一行など。元々極めて不自然な世界観ですから、それ自体が何者かによって仕組まれたものってパターンはありだが、あまりそこのところをひねりすぎると作品が自滅する危険あり。

 どういうことにしろ、これからの先の展開がフェナの選択に託されるというなら、フェナが何をしたいかは既に言ってますよね。「みんなとこのまま世界中を旅したい」って。で、「海賊王女」になるってオチか?

 

 

次話はこちら

anime.ksagi.work

前話はこちら

anime.ksagi.work