白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

最果てのパラディン 第9話「白帆の都」

続々と登場するわけありげな人物たち

 ようやくホワイトセイルズに到着したウィルですが、ここでまた新たな重要人物たちと出会うようです。

   
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 神殿長のバグリーはいかにも悪者顔で強面の素っ気ない人物。しかしウィルの実力を一目で見抜いた節がある。こういう人物って、本当に見たままの悪党か、それとも実は男ツンデレかの二者択一しかない。ウィルへの対応を見ていたら男ツンデレの方だろうなという気がする。そうでなかったら、ウィルが自分の目的に使えると判断したか。

 そしてこのホワイトセイルズを治めるのが王弟エセルバルドですか。この町の繁栄具合を見ていたら、かなりのやり手であることが分かる。しかしやり手の王弟というのは立場が微妙です。本人に野心があったら王位を狙うという陰謀を巡らせる可能性があるし、本人にその気がなかったとしても、王に不満を持つ連中が担ぐという可能性もある。また王弟側にその気も動きもなかったとしても、王の側が謀反を疑って粛正に動くという可能性もある。結局はこの辺りがどう納まるかは、王と王弟の間の個人的信頼関係と王の器量によるんだが。王が人間としての器量が大きければ関係は良好で、むしろ有能な王弟を効果的に使うことが出来るが、王の人間しての器量が小さければ、疑心暗鬼に駆られて王弟を粛正しようとするってこともあり。また王に何かがあった時、王の息子と王弟とで王位継承争いになるってのも定番。

 

 

ワイバーン殺しの英雄となったウィル

 結局はウィルは成り行きでワイバーン殺しの勇者になってしまったようです。ワイバーン殺しと言えばあの3人もやってたんだな。図らずしも育ての親と同じ称号を得ることになったか。にしても、ウィルはメネルを助手につけて二人だけでワイバーンを葬ってしまったんだからまさに無双。それにしても技とか魔術とかは一流の教師から仕込まれていたとして、ワイバーンの首をへし折ってしまった腕力はどこから来てるんだ?

 で、メネルはやはりハーフエルフだけあって精霊魔術の使い手でもあったか。まあ普通はそうだよな。ウィルはメネルに協力してもらってワイバーンを地上に叩き落としたと。それと一生懸命のあまりに意外にカッカしやすいウィルと違って、斜に構えたところのあるメネルは結構冷静だ。

 その功績で王弟閣下とご面会となったようだが、エセルバルドがパーティーが4人いるはずと計算するのは当然だわな。普通は1人で戦士から魔法使いまで兼ねるなんてことはあり得ないから。しかもいずれもかなり上級という。全く持ってウィルが無双すぎるんだよな。まあ先にもマンティコアを瞬殺してしまっているし。今回でも相手が飛行能力を持っているから手こずったが、地上を這う敵だったら瞬殺に近い状態で倒している可能性が高い。

 

 

このまま行けば辺境の英雄領主か

 ウィルはエセルバルドに辺境の村々の保護を願い出たが、エセルバルドの答えは「そこまで手が回らない」というもの。それに対してウィルが「それなら自分でやるから許可が欲しい」と言ったことは、辺境で自立してそこの領主になると言っているのと同じだから、エセルバルドとしては「貴殿を殺すことも考慮しないといけない」と言うことになるんだろう。つまりはウィルが一国を構えて自分と敵対する可能性があるようなら、危険は事前に排除しないといけないと。恐らくそれはこれからウィルの人となりを見定めるつもりなんだろう。

 ウィルは無双だが、難点があるとしたら対人スキルだろうという気がする。元々辺境で孤立して生活してたし、前世でも如才なく振る舞えたタイプとも思えない。今までも圧倒的な能力で相手を信頼させて、後は完全に本音を晒した交渉をしていたから、基本的に性善説的な振る舞い。相手の腹を探りながら落としどころを見つけるという腹芸ができそうな感じではない。そういうところを補っているのがメネルであり、さらには商人であるトニオか。ウィルがワイバーンを葬った直後に、サラッとウィルを英雄として盛り上げて売り込んだ手管なんて流石。ああいう如才なさは多分ウィルにはない。

 で、これからはウィルが辺境を治めていく話になりそうな気配。だから「最果てのパラディン」なのか。ところで例の黒い瘴気だが、あれに触れなかったらモンスターも野生動物と同じでこちらからちょっかいをかけない限りは向こうから積極的に攻撃はしてこないってとこだろうか。で、あの瘴気の主はハイキングが持つ人間への敵意ってとこかな。

 

 

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