ウィルがさらに新しい仲間と出会う
とりあえず村を救ったウィルは、仲間になったメネルと共に村のための物資調達に都市に向かう。その途中でどうやらまた新しい仲間に出会った模様です。
一人は騒がしい吟遊詩人のハーフリンクのビィ、もう一人は落ち着いた商人のトニオ。戦力にはなりそうにないですが、まあウィルの戦闘力が突出してますから、戦力は今のところ不要でしょう。この二人はウィルに欠けている処世のスキルを補ってくれる模様。
またトニオは都市に拠点を置く商人のようですから、とりあえず辺境の村々の復興を目指しているウィルとしては、経済・流通などの面で頼りになりそう。最終的には村の復興は彼に託すことになるんじゃないかという気がする。ウィルの後方担当をしてくれそう。劉邦に対しての蕭何の位置づけですな。
そして懐かしい三人の思い出
で、旅の途中でビィが奏でた詩は、世界のために戦った三英傑の若き冒険時代の話。ウィルにとっては懐かしい三人の昔の姿です。いかにものエピソードにウィルは涙ぐんでしまったようですが、実は不覚にも私の方もグッときました(笑)。いかにもという感じですが、そう思えるのはこの作品が基本的に人物をよく描けているということでしょう。この作品、そういうところは実にしっかりしている。
主人公のウィルはかなり無双ですが、それって転生時にボーナスで無双能力を獲得したというわけでなく、選りすぐりの3人に幼児期から英才教育を施された賜物で、本人も努力して獲得してるんですよね。そういうところが話に無理のないリアリティを持たせているし、主人公の転生設定も特に作品の中に強く及んでいないから、話に無理が生じてないんですよね。全体的にストーリーをしっかり作れている作品だと感じるな、本作は。今時の設定の奇をてらって、いかにタイトルだけで読者を獲得しようとするかというなろう系小説の悪しきパターンと違って。
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