白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

白い砂のアクアトープ 第22話「覚悟の帰還」

男ツンデレの正体を現した副館長

 ああ、やっぱりあの副館長、男ツンデレだわ。戻ってきて謝罪するくくるに対して「この仕事をキチンとやればそれで良い」っていうのは、無断欠勤の件は不問に付すという意味だから。そういう言い方をせずにああいう偉そうな言い方をするのはもろにツンデレ属性全開。単なる嫌な上司だったら、あそこは「お前の席なんか、もうここにはない」だからな。

     
プライムビデオ配信中

 しかも飼育部の方に欠員が出るということでくくるの推薦状を提出しているって、くくるが飼育の方に行きたいっていうのをしっかりと把握してるんだから。それを把握している上でくくるを鍛えていたのが明白。そして何よりも決定的だったのは、くくるがいろいろ考えてプレゼンを成功させた時の「よくやった」の一言。もう完全に男ツンデレ決定的な台詞です。

 

 

夏凜姉さんも飼育を希望したようですが

 ところで、くくるの飼育希望ばかりが正面に出ていて隠れていたが、確か夏凜姉さんも飼育希望だったのではというのが気になっていたんだが、やっぱり彼女も希望を出すことになったか。恐らくこのことは副館長には想定外だったかも。夏凜姉さんの前歴を考えたら明らかに広報は適職だし、それにこの仕事について夏凜姉さんはかなり有能だったからな。恐らく副館長もかなり頼りにしていたんではという気がする。くくるについてはここで経験を積ませてからいずれは本人の希望の通りに飼育の方にという気はあったが、夏凜姉さんの希望は想定外だったのではという気も。

 結構、あの副館長本心では夏凜姉さんの移動願いにはショック受けてるかもな。「俺は上司としてそんなに嫌われてるのか?」って。何か一人で酒を飲みながら「俺だって好き好んで嫌な上司になってるわけじゃない・・・」とか思わず本音をこぼしている副館長の姿なんかが目に浮かんだな。ティンガーラも「ガバガバ水族館」こと、がまがまの影響を受けているのか基本的に組織として緩いところがあるから、誰かが風紀委員的に引き締める必要がある。それを自然に買って出ているのがあの副館長だろう。恐らく館長はその辺りを了解しているから「彼は優しいから」という最初の言葉につながっていたんだろうという気がする。

 間違いなく彼の厳しい指導でくくるは大成長しましたからね。もしかしたらくくるはここで飼育の方に行かずに現職を継続する可能性もあるなという気もしましたね。自分が手がけたティンガーラウエディングのこれからも気になっていたようだし、今回の件で夏凜姉さんが言っていた仕事の醍醐味も感じた。さらには単に「生き物を大切にしたい」というレベルの話でなく、もう一段階上のレベルから水族館全体の経営や存在意義にかかわる部分までの視点も得た。将来的には水族館の経営も含めたマネジメントレベルの世界に進んでいく可能性も出ている。それこそが実は当初に館長が目論んでいたところだとも思うが。

 くくる「よく考えた結果、今回の移動の件については辞退することにしました。」諏訪、一瞬驚いたような表情を浮かべてから、溜息を一つついて「本当にそれで後悔しないんだな。」くくる「はい、これからもご指導よろしくお願いします。」諏訪、かすかな笑顔を浮かべながら「分かった、ビシビシ鍛えてやるから覚悟しておけ。」というベタな展開。

 

 

櫂君との関係にも進展が出そうです

 で、ナイスガイの櫂君が突然に家庭の事情でティンガーラを離れることに。いなくなると聞いたことで、改めてくくるが櫂の存在の大きさに気付いた様子がある。何しろ彼は今まであまりにさりげなく常にくくるのそばにいましたから。やっぱりこういう自分から引く展開も求愛行動の駆け引きには必要(笑)。自分が引いたら相手が押してくるということもある。多分、これが二人の進展の一つの切っ掛けになるんだろう。

 そしてさり気に風花も地球の海洋環境について考えるという大きなテーマに取り組み始めた。彼女はかなり真面目ですから、こっちに本気で入り込んだら、その内にバリバリの活動家になるかも(笑)。なんかのNGOに参加して環境問題の解決のために精力的に活動するなんて未来図もあり。

 と言うわけで、本作の最終回は突然に数十年後になり、櫂君と結婚して家庭を持ちながらティンガーラの館長としてバリバリ活躍しているくくると、政治家として環境問題に取り組んでいる風花、そして数年ぶりに再会した二人がオジイの遺影に手を合わせている姿が・・・なんてことはまずないな(笑)。それをやっちまったら、本作のファンとしてはむしろぶち壊しだろうから。

 

 

次話はこちら

anime.ksagi.work

前話はこちら

anime.ksagi.work