白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2024年夏アニメ作品評価

 私の本業の方が洒落にならない状態になってきて、時間と精神力がとことん削がれる状況になってきたことから、毎度毎度の感想を書いている余裕がなくなって、このブログも1年以上放ったらかしになっていた。しかし実際にはその間も一応何作かのアニメはフォローしている。と言うわけで、まとめて最終評価だけをアップすることにする。

 2024年の夏アニメについての作品評価の点数を発表します。なお2クール連続作品の場合は、最終回が含まれるシーズンに最終評価することにしています。また何話かチェックしたが途中脱落した作品などもあります。

 評価についてはまず総合評価はA~Dの4段階でAが最上でDが最低となります。各項目は「キャラの魅力」というのはいわゆるキャラ萌えとかいうのではなく、キャラがリアリティや魅力を持ってキチンと描かれているかということ。「ストーリー性」はそのものズバリの盛り上がる興味を持てるストーリー展開となっているか。「納得性」というのは話の設定に無理があったり、ストーリー展開が無茶だったり、演出がひどかったり、そもそも作品が完結しなかったりなど、納得しにくい難点を抱えていないかというものになり、各項目3段階で評価しています。

 

 

魔王学院の不適合者Ⅱ第2期

総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆

 本来は夏アニメでなかったはずの作品が、制作崩壊か夏にずれ込んでしまったという昨今のアニメ制作事情が反映された結果に。ひたすら主人公の無双さの爽快さで押してきた作品だが、主人公の無双が行きすぎた結果として世界観が怪しくなってきて、話が分かりにくくなってきた印象。まだキャラの描き方とかに魅力はあるのではあるが・・・。

 

俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~

総合評価 B
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆

 いわゆる無自覚最強系。この手の作品は大抵は主人公の不自然に低すぎる自己評価でイライラさせられるストレスがあるものだが、この作品の場合はそれをストレスでなくて上手く笑いの方につなげている感覚。終盤は主人公のデタラメなまでの無双さが爽快感につながってきて悪くない。

 

新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。

総合評価 B 
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆☆ 納得性☆

 これまた無自覚最強系。ただ無茶苦茶ながらも意外に暑苦しい話が悪くない。ギャグはギャグとして機能しているし、作品としてはまとまってはいる。

 

魔王軍最強の魔術師は人間だった

総合評価 C
キャラの魅力☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆

 特徴と言えるのは、主人公が人類とは敵対する立場の魔王軍に所属しているということだけ。これと言って特別なところはない上に、ストーリー展開にも特別なものは全くない。完全に凡百に埋もれる作品。

 

 

転生したらスライムだった件第3期

総合評価 A
キャラの魅力☆☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆☆☆

 前半には陰謀劇が絡んだドラマを持ってきて、かなり動きのある展開。2期から続いていた巨大事件が一応の完結をする。後半はインターミッション的でこの作品らしい与太話だが、こういう話では各キャラがなかなかに生きてくる。もっともいよいよ作品がドラゴンボール化しつつあるという不安はかなりあり。

 

ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで

総合評価 D
キャラの魅力☆ ストーリー性☆ 納得性☆

 いわゆる胸糞悪い系の理不尽ストーリー。この手の話は最後に「ざまあ」してこそなんだが、何より話がそこまで行っていないのが大問題。そして主人公の能力が限られているために毎回展開がワンパターン。思考ゲーム的な要素も薄いし、見るべきところがあまりない。

 

杖と剣のウィストリア

総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆ 納得性☆

 落ちこぼれが特殊能力を開化させてのし上がっていくタイプの作品。ただ主人公の身体能力が異常すぎてそれが作品世界を崩壊させそう。イマイチ主人公キャラに共感しにくいし(主人公含めて性格が異常なキャラが多い)、展開にご都合主義が多すぎて説得力が薄い。

 

グレンダイザーU

総合評価 C
キャラの魅力☆☆ ストーリー性☆☆ 納得性☆

 往年の永井豪のマジンガーシリーズの中のマイナー作のリメイク。それは良いんだが、デジタルの軽い作画のせいもあって、永井豪作品らしからぬ気の抜けた作品になってしまった。

 

 

中途脱落作品

魔導具師ダリヤはうつむかない 第3話で脱落

 あまりにも特別なドラマのない展開に退屈して脱落。

 

この世界は不完全すぎる 第2話で脱落

 話自体の目的地がハッキリ見えない、主人公の存在感が薄いなど、今ひとつ作品に魅力が感じられないことと、どうも絵柄が好きでないことなどもあって脱落。

 

異世界失格 第1話で脱落

 主人公の性格設定に無理がありすぎて話についていけずに脱落。

 

ダンジョンの中のひと 第4話で脱落

 あまりに何もない日常話に退屈してしまって脱落。


 作品自体は別に破綻しているわけでも悪いわけでもないが、あまりに中身が変化なさ過ぎて脱落という作品が多い。それとやはり異世界ものは何か特徴が無いと既にゲップが出ている。

 

 

総評

 連続ものの「転スラ」が話も本格的に動き出してまずまず好調というところ。もっともキャラクターが強くなりすぎて話が破綻するドラゴンボール化が見えてきているので要注意・・・と思っていたら、もろに天下一武闘会やっちまうし・・・

 主人公の無双爽快劇だった「魔王学院」もここに来て主人公が世界の因果律曲げすぎたツケで話が混乱してきて、私のようなライトなファンには話が分かりにくくなってきた。相変わらずキャラ描写は結構魅力的なんだが、それ以外の要素がグタグダし始めている。

 後はどうでも良いようなワンパターン作品が多い。「パリイ」と「新米オッサン冒険者」はいずれも無自覚無双系というモロ被りなんだが、それぞれその無自覚をギャグや熱さにもっていっていて意外に悪くなかったのが収穫か。「グレンダイザー」などは何のためのリメイクと謎が深まるだけの作品。ネタ的に持って行き方によっては美味しい展開もあり得たのに。マジンガー復活という元作になかった美味しい展開を組み込みながら、ああも盛上がらない腑抜け度合いには絶句。少しはブレイバーンでも参考にしろというところ。

 

 

2024年秋期アニメ作品評価

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2024年春期アニメ作品評価

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