デートであからさまに関係が深まっていく二人
今回は完全にレフとイリナのデート話になってしまっていたな。明らかにイリナはレフに心を許し始めているし、レフも「実験動物として扱うように」との話を完全に横に置いて一線を越えつつある。
そして打ち上げの日時だけは上の思惑とかで強引に決まったようであるが、機体設計の方はどうにもまだ苦戦しているようなのが気がかりなところ。何かこのまま行ったら、イリナがまともに帰還できないことを前提とした設計になっちまうような気がしてならないんだよな。そうなった時にレフはどういう行動を起こすか。なんかそれがこの作品の山になりそうな気がする。
初めて深層を語ったイリナに、明らかに惹かれているレフ
今回のイリナはどうもアルコール影響があったのか、今まで語らなかった本音をペラペラと喋ってしまいました。レフに素直に感謝の言葉をいうなんてのは、あの突っ張った彼女には考えられなかったこと。やっぱりアルコールで抑制がとれて本音が出て来たんだろうな。レフの方もイリナのスケートに見惚れているようなところがあり、こりゃどう考えても実験動物と監視者という関係ではなくなってしまっている。明らかに心理的な壁を作っていた最初の頃と違い、イリナがレフに自然な表情を見せるようになってきたのが特徴的。特に今回は何だかんだでレフにおねだりをしているんだから、相当に心を許してきているのは明らか。
そしてイリナが自分には宇宙を目指す強力な動機があることを語りました。そのためになら使い捨てにされても良いと言う考えのようです。どうも月に対する憧れのようなものです。その一方で彼女の親の過酷な過去の話もチラリと出てましたから、彼女にとってはやはり人間は敵であるということは間違いないんでしょう。しかしその人間の力を借りててでも宇宙に行きたかったと。
なんか宇宙兄弟かとおもっていたら、知らない間に美しい恋愛ものになりつつある。この作品、どういう方向にコケていくのかが読めなくなってきたな。イリナもレフもかなり危なっかしいところがあるから、こういう体制の国だけに一つ間違うと大悲劇につながる危険もある。
次話はこちら
前話はこちら