白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

月が導く異世界道中 第七夜「秘薬精製」

レンブラントの問題はあっさりと解決

 仲間に薬師がいたようなので、真は早速レンブラントのために薬の調合をさせると。それにしても無駄に鈍くさい薬師に設定しているが、これは正直なところ話の無駄。特に笑えるようなネタではないし。

     

 で、薬を飲ませようとしたが、それを阻止するための呪いまでかかっていたという念の入りよう。結局患者は真が柔道技で押さえ込んだようですが、真が柔道が出来たなんて設定は後付けで飛び出してきた気配が濃厚。確かにああいう時に押さえ込む場合、いくら力が無双していたとしても、それだと相手を怪我させるので技が必要です。押さえ込むとなると柔道が最適。そもそも柔道は刀が使えないような超接近戦(早い話が取っ組み合い)の時に、相手を組み伏せて首を取るための術から進化してるので。

 最近の転生ものは、初期の頃の「ニートでヒッキーな俺でも、異世界に転生したら無双して勝ち組のウハウハ」という読者層の妄想に媚びていた作品から変化してきてます。やっぱりいくら能力強化してもニートはニートで、あまりに基本が無能すぎて作品中で動かしにくいことから、最近の転生者は最初から何らかのスキルを持っているという場合が多く、もう既にヒキニートではなくなっている。本作の真も「普通の高校生」と言いながら、このような技を持っているし、昨日放送の「精霊幻想記」の主人公なんかは最初からかなり剣を磨いていたから、こっちに来てからの訓練で達人級になっている。「現実主義勇者」の主人公なんかはただの大学生にしては能力高すぎだし、正真正銘のヒキニートだったはずのリゼロのスバルでさえ、最近見せる交渉能力は明らかにヒキニートのものではない。結局は無能すぎる主人公ってのは、万能すぎる主人公と対称的な意味で単なる作品破壊者なんだよな。

 

 キャラが揃ってきた感はあるが、作品はどこに向かう?

 結局は何だかんだでレンブラント商会の件は決着、巴が後で探りを入れてましたが、案の定あのナイスミドルは何やらドロドロとした過去があるようですが、真に対して何らかの悪事を働いてこない限りは関係ないってところでしょうか。で、巴は今回のドタバタで弥七を雇うことになった模様。本当に水戸黄門になってきているな。水戸黄門って、やっぱり立ち回りの前には「助さん、格さん、懲らしめて上げなさい」ですから。ちなみに黄門様が里見浩太朗になってからは、助さん格さんよりも強そう過ぎて(何しろ立ち回りの時の腰の安定感がまるで違うので)、そのうちに「助さん、格さん、下がってなさい」って言うんじゃないかってのは、時代劇ファンの間で良く言われていたこと。

 それにしても明らかに過去にいろいろありげな老執事ってのも、最近のお約束キャラの一つとして確立しているな。レンブラントにもそういうのが付いていました。恐らく今までに影で何人も始末してるんだろうなと思わせるキャラです。こういうタイプのキャラもいわゆるオタの妄想の一つの憧れパターンなんだろうな。まあオタの妄想に限らず、何の特徴も無さそうに見えたジジイキャラが、突然に「昔取った杵柄」で想像もしなかったようなとんでもない能力を示すってのは、これまた創作ものの黄金パターンなので。

 それはともかくとして、この作品も結局のところ、主人公の目的がないんですよね。一応は商人を目指すとのことですが、そっちだとあまりにストーリーが広がらないんで、恐らく何らかの事件に強引に巻き込まれることになるのだろうけど。

 

次話はこちら

anime.ksagi.work

前話はこちら

anime.ksagi.work