白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

白い砂のアクアトープ 第5話「母の来訪」

母来る

 突然に母がやって来る。そりゃ、帰るって言っていたのをブッチして、いきなり沖縄にいるなんて言ったら普通は心配して見に来るわな。ところで風花の家庭は母の存在しか見えないんだが、父はいるのか? 通常はこういう時には父の方が見に来るものだが。最近は社会情勢を反映して、シングルマザー家庭の話も多いから。

     
プライムビデオ配信中

 で、風花が連れ戻されてしまうとくくるらは慌てて風花を逃がそうとすると。まあお約束の展開だわな。風花自身も半分分けの分からないままに逃げようとするが、そもそも行くあてもなくここに流れ着いてきたわけだから、そりゃ行くところはない。で、成り行きうどんちゃんを頼ることに。そしてその母親が最初に出会った占い師だったとは、こりゃ話が出来すぎてるわ。

 その間にくくるは全力で風花の母の引き留め工作。あまりに露骨なんですが、必殺技の「おばあの梅酒」がかなり効いた模様。まあしかしこの過程は、彼女に「風花は今、かなり良い人達と良い環境に囲まれて暮らしている」ということを伝える効果はなしています。実際のところ、風花が東京で挫折してかなり傷心でいることは母も感じていて、それ故に心配していたんでしょうが、風花を取り巻く環境を実際に見て、さらに風花が仕事に取り組んでいる姿を見れば、実は今の環境が風花の心の傷を癒やすには最適であることは彼女も感じたでしょう。それで結局はすぐに連れて帰るのは断念したという流れ。

 

改めて自分の人生に正面から向き合った風花

 風花は風花で最初は逃げようとしていたけど、結局は使命感のようなものに駆られて戻ってくる。これも彼女自身が成長していることを示している。やはり彼女自体が今まで人生に対して逃げ腰なところがあり、引退の件もある意味では状況から逃げたわけでもある。それが今回は「逃げない」という選択肢を選んだ。彼女自身ががまがまを舞台として、より人生に積極的に向き合うことを選んだとも言える。

 と言うわけで、今回は風花の母がやって来たことが切っ掛けで、風花自身が必然的に自分の立場について改めて考え、そしてより前向きになれたという話で、これで風花はさらに一段成長したことになります。非常にお約束な成長過程の描き方で、その辺りはこの作品はコテコテですね。ただし王道ゆえに安心して見ていられるところがある。

 ところで風花の母ですが、明らかに岩手の田舎のお母さんという雰囲気とは違いますね。そういう経歴の人だったら、通常はもっとシャイなものです。何か妙に凜とした雰囲気がありますし、風花の芸能活動についても反対していたという様子ではないですから、彼女自身がそういう前歴があるのではという気もします。もしかしたら風花が芸能界目指したのも母の存在が影響したのかもって思えますね。

 

次話はこちら

anime.ksagi.work

前話はこちら

anime.ksagi.work