魔族との関係性の変化
あの獣人少女の持っていた情報は、コミュニケーションの不能と思われていた魔族と、意思疎通が可能という話か。確かにこれは一つ間違うと人類陣営の結束を崩して瓦解させかねない大情報だ。問答無用の相手となると、とりあえずの利害は捨てて結束する連中も、相手が交渉可能となると、交渉して向こう側に付くことで自らの権益を強化しようとする奴は絶対に出てくる。そもそも何らかの侵略に対して、必ずあちら側について自らの権益拡大を狙うものが出るのは常で、侵略側からしたらそういう奴らをうまく使うってのも戦略ですから。
ただ逆に言うと、向こう側も一枚岩とは限らないわけで、向こう側に内部分裂を仕掛けると言うことも可能ということになる。概して抗戦派ばかりでなく、戦乱が長引くと融和派も登場しますから、そういう連中に実権を握らせて講和に持ち込むというのが大戦略。まあ魔族との関係はいずれはそういう方向に持っていくことになると思いますが。
もっとも言葉が通じてコミュニケーション出来るとしても、文化背景や価値観が違いすぎて現実には話が全く通じないって可能性もあります。そうなるとコミュニケーション出来ないのと大差は無くなってしまいます。そもそも講和って概念自体があるかどうかさえ分からん。例えばアリとコミュニケーション出来たとしても、彼らに人権や民主主義を理解させるなんて無理でしょうから。
そして国内では「王様のブランチ」
で、あのイシヅカ氏は新たな食料探索の任に当たりましたか。うん、現時点では一番上手い使い方だな。しかし王様が自ら出演して「王様のブランチ」って・・・まんまじゃん。私もグルメ番組の類いを放送する手はあるとは思っていたが、あの国はまだグルメ以前に日常の食を確保するのが最優先だった。まあいずれ生活が落ち着いてきたら、観光立国を目指す段でも彼は活躍出来そうだが。
確かに飢饉においては今まで食料にする習慣がなかったものを食料にするというのは重要。トマトがヨーロッパで広く食用になったのも飢饉以降との話があり、それまではトマトは毒だと考えられていたという。確かにタコなんかは海の近くでは食べてたりするだろうが、内陸ではあまり食べる習慣はないだろう。しかし栄養価的にはタウリンなどかなり優秀であり、食べない手はないという代物。海がある国のようだから、海産物系はもっと食料として流通させるべきだろうな。もしかしてなまこなんかも登場するか?
同時にいなごなどの昆虫食も登場していたが、主人公はそれよりも醤油に感動していたようだ。そりゃ日本人としては、異世界に行ったら一番懐かしくなるのはまず醤油だろう。実際に八男も醤油を作ってマグロの刺身を振る舞っていた。そう言えばリムルはまだ醤油は作っていなかったような。しかし祭には固執しているようだから、焼きトウモロコシとかをしようと思うと醤油は不可欠のはず。その内に醸造所を作るか。おっと話が脇道にそれた。
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