奈々子が自分の道を模索する
今回はいわゆる夏の定番の水着編要素もあるのですが、そちらは深入りしませんでしたね。まあ本作の場合はそれが正解だ。一応ストーリー作品なので、キャラ萌えを正面に出すのはあまりよろしくない。
で、今回の内容は奈々子が自らの道を模索するという話。最初から彼女の心は歌にあり、声質などに天性の素質はあるのだが、音程が不安定ってのが致命的で、彼女自身は歌手は無理だと逃げているところがある。それで役者の方に逃げたのだが、今回の作品で「本気ではない」というのが見透かされてしまったと。彼女自身も自分が本気でないということを感じていたから、河瀬川に追及された時にショック受けたんだろう。
奈々子の音痴の件はまず原因がどこにあるかがポイントでしょうね。民謡をやっていたと言うから、それが原因の可能性もある。民謡って独得の節回しするから、音程的に考えると不安定なんです。そういう世界に馴染みすぎたせいで音感が少しズレている可能性がある。専門のトレーニングしたら何とかなるようには思いますが。
河瀬川と主人公の才能は結構微妙
河瀬川自身も「才能に嫉妬した」というようなことを言っていたが、クリエイターとしての彼女の才能も微妙なところで、制作者としての才能が明らかにあるのであるが、それって創作の世界では歌が上手いとか絵が上手いとかに比べるとかなり地味な才能なので、なかなか表に出にくいところがある。そういう華々しい才能を持っている者に対しては確かに嫉妬のようなものを感じても当然。10年後では彼女は部長になっていたが、結局はそういう器の人ですから。もっともクリエイター気質が強すぎるせいで、社内的には失敗してしまいましたが。
そして主人公にはゲーム制作の話が出て来ました。やっぱり彼は自分的には映像作品と言うよりも本領はそっちという気持ちはあるんでしょう。ただ今はそっちに一足飛びに行くんでなく、もう少し地力を高めたい意識があるようです。彼を見ていると、優秀な人材ですがクリエイターとしての能力よりも、いわゆる裏方向きなんですよね。今までも裏でお膳立てをする役回りばかり。今回も奈々子のことをお膳立てしようと必死のようですが。
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