ホームズは想定外の悪党だったようです
ホームズがミルヴァートンと対面するが、結局はどうしようもなくて証拠を盗むためにミルヴァートンの屋敷に忍び込むって展開は原作のまんまですね。もっとも原作ではホームズはそこでミルヴァートンが射殺されるのを目撃するのですが、本作ではホームズがあっさりとミルヴァートンを射殺してしまった。
にしてもミルヴァートンもあれだけ細心の計画を立てて、今ひとつ目的がハッキリしないんだよな。要するに犯罪卿であるウィリアムを誘い出して、ホームズに逮捕させることで自らにとっての敵であるウィリアムを排除することを狙っていた? なんか単にウィリアムを排除するだけなら、もっと確実な方法もいくらでもあったような気もするんだが、わざわざこんな回りくどいやり方をするのは、純粋悪とやらの悪党としての矜恃?美学? まあ自分がウィリアムよりも上だということを示したかったのだろうことだけは分かる。
ミルヴァートンが悪党としての格が一枚下だったようで
しかしまさかホームズとウィリアムが既に顔見知りだったということは想定外だった。って言うか、一番の想定外はあそこでホームズがウィリアムを捕らえることよりも、ミルヴァートンをあっさりと射殺することを選ぶってことだろう。どうもミルヴァートンはホームズを単なる正義の人と買い被ってたのか? しかしこのホームズは自分でも言っているように、実はかなり犯罪親和性の高い奴。ウィリアムでさえ、ホームズは殺人に対してもっとハードルが高いだろうと思っていたようだが、ウィリアムの予想をも超えてホームズはあっさりとミルヴァートンを撃ってしまった。
もっともホームズ自身は明らかにウィリアムの手のひらの上で踊らされているのを感じていて、このままお前の思い通りには動かないという意地もあったような。ホームズは明らかにワトスンを巻き込まないように行かせたわけで、大体の展開は予想していた模様。結局は二人ともミルヴァートンに乗せられたように見せて、実は読み切って乗っていたと。そしてホームズは犯罪卿がウィリアムだというのは薄々感じてたから「やっぱりな」という感じだったし、ウィリアムの方もホームズが薄々勘付いているっての了解の上だから、対面した時に両者とも微塵も動揺がない。この辺りは完全にミルヴァートンの読み違いだった模様。
結局は今回ハッキリしたのは、単なる強請屋のミルヴァートンは犯罪者としての格が、この悪党二人よりは明らかに一段低かったということ。ここまで黒幕っぽさを見せてましたが、最後の最後は結構マヌケな終わりになってしまいました。
ついにホームズとモリアーティの最終決着か
そしてホームズが殺人というハードルをあっさりと越えてしまったことで、ウィリアムは最後に自分がホームズによって殺されるという絵を描いた模様。ただしただ単に殺されるという形では彼の目指していたものは実現しないだろう。一体どういう形でそこに持っていこうというのやら。
で、次回は「最後の事件」ですか。これは原作にもあるホームズとモリアーティが直接対決したエピソードで、二人が戦ってどうやら滝に落ちて死んだらしいというところで決着が付く話ですね。ホームズはその後復活しますが、モリアーティはこれが最後となります。これが2話で最終回ということか。
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