ホームズの原作のエピソードから持ってきてます
ここのところ全く登場がなかったホームズが、ようやく久しぶりの登場です。で、登場するやいなやワトソンの婚約報告を聞かされるという。
今回の「四つの署名」自身はそもそものホームズの原作にもある有名な話です。この作品でホームズの原作のエピソードが登場するのは初めてかも。事件の経緯とか、解決の糸口はほぼ原作に沿ってますね。ただワトソンがメアリーと結婚を決めるのは事件解決の後ですし、事件自体はスモールを捕まえて目出度し目出度しで終わってます。と言うわけで例によってかなりアレンジしているわけですが。
しかし本作の場合はここに脅迫王ミルヴァートンが絡んでくる。ホームズにミルヴァートンが登場するのは別のエピソードでなんですが、それも引っ付ける模様。既にモリアーティ一行には敵認識されているミルヴァートンですが、これで目出度くホームズ達にも敵認識される模様です。今後三つ巴の展開になるんだろうか。
原作の悪党をかなり膨らませたのがこの作品
原作ではミルヴァートンのエピソードは、ホームズが依頼者の手紙をミルヴァートンの元から盗み出そうと忍び込んだら、そこにミルヴァートンに恨みを持つ者が現れてミルヴァートンを射殺してしまうという、ホームズにとっては推理も何もない極めて精彩を欠くオチになっているようです。
そして精彩を欠くホームズと同様、原作のミルヴァートンも他人の弱みにつけ込んでは脅迫を繰り返すというチンケな悪党です。「純粋悪」なんてレベルの高いものでなく、単なる金が欲しいだけのせこい悪党です。この作品はモリアーティだけでなく、ミルヴァートンもかなり膨らましてます。
とりあえずホームズはミルヴァートンの脅迫からメアリーを救う必要が出来ましたし、モリアーティは敵としてミルヴァートンを葬る必要を感じているでしょう。この二人の関係がどうなるのか? まだホームズは犯罪卿の正体がウィリアム達だということは知らないはずですよね。何となく「その可能性はある」ぐらいの認識は持っているかもしれませんが。恐らく、その辺りの両者の関係性がこの事件辺りから急激に動き始めるというところでしょうか。
恐らく全24話として、後3話だとしたら、ミルヴァートンを巡ってホームズとモリアーティ一行が交錯する場面があり、ミルヴァートンに始末をつけた後に、「犯罪卿はやっぱりお前だったのか」という展開になって、その辺りで終わりかな。どうせ原作はまだ続いているようですから、アニメは終わりそうにないので。綺麗にケリをつけるとしたら、その辺りのタイミングしかない。
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