白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

憂国のモリアーティ 第23話「最後の事件 第一幕」

計画を加速するウィリアムに対峙するホームズ

 ホームズが殺人を犯すという次のステージに進んだことから、ウィリアムの方も計画のピッチを上げてきたようです。もう完全に辻斬り状態で貴族達を無差別に次々に暗殺、こうやって巷の恐怖心を盛り上げているようですが、ただここからどうやって特権階級の廃止の方向に進めるつもりなのかが今ひとつ良く分からん。

     
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 で、捕まっていたホームズですが、意図せずして完全犯罪になってしまってミルヴァートンの殺害の件は立件出来ず。確かに目撃者皆無(実際はウィリアムだけ)、被害者の死体は上がらず、物的証拠は一切なしとなれば、事件の存在自体を証明出来ない。何かこのホームズ、本人が自覚している以上に犯罪親和性が高いわ。

 そのホームズの元を訪れるワトソン。ワトソンは本気でホームズのことを心配して気遣っていることに、かけがえのないパートナーであることを再認識するホームズ。なかなか美しい話です。二人の友情をしっかりと描いていますね。ワトソンはホームズが自分を置いて勝手に動き、挙げ句はその果てに殺人まで犯してしまったと言うことに、感謝と同時に本気で怒ってるんですよね。ワトソンは自分も行動を共にするつもりでいたようですから。

 

すべてを託されたホームズがどう動くか

 そしてホームズはついには女王に呼び出されてイギリスの将来のために犯罪卿の件の解決を依頼された模様。兄貴の話によるとここで大胆な要求をしたようだが、恐らくイギリスの貴族制度に纏わる件だろうということが想像出来る。ウィリアムは元々それを目指していたし、ホームズは彼が何を目指しているかが完全に理解出来たと言っていたわけだから。

 ウィリアムはいよいよ自分の最後に向けての布石を打っているようだが、それは必然的に仲間に様々な思いをもたらしたようで、ついにはフレッドとルイスがホームズに接触してくる。やっぱりウィリアムの死に一番納得出来ないのはこの二人だったか。それに対して「友として助ける」と言い切るホームズが格好良い。今回はホームズが完全に「主役」をしてました。今までウィリアムに駒として使われていたことを自覚しつつ、ここでウィリアムを救おうというのは「いつまでもお前の思惑通りに動かされない」というホームズの意地も混ざっている。

     
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 原作での「最後の事件」は、ホームズとモリアーティが共に滝に落ちて生死不明になるという結末なんですが、さて本作の場合はどうなるのか。ホームズが「ウィリアムを救う」と啖呵切りましたから、何か仕掛けるはずですが。

 

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