白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

86-エイティシックス- 第9話「さよなら」

危険を冒してのレーナの支援でとりあえずの目的を遂げる86達だが

 シンの兄貴の亡霊が率いるレギオンの大軍に挑むシン達。しかし敵は圧倒的、その時にレーナの支援がという展開になってます。

     
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 レーナはシン達を支援するために悪魔に進化した模様。前回に完全に拒絶されたアンリエッタを悪魔的な手管で支配して無理矢理に協力させました。これはレーナが新しいスキルを習得したな。確かにただのお嬢なだけではこの先に生き残るのは不可能。

 レーナの支援もあり、シンはギリギリのところで兄貴の亡霊と対峙してこれを駆逐する。にしても敵メカがいよいよもって化け物めいてきたな。これは単にメカという次元でなく、人間を取り込んで明らかに新たな生命体に進化しつつあるようである。そういう状況を考えると、この世界の人類にはあまり先はなさそうである。

 

しかし結局彼らは全滅のための作戦を続行することに

 それにしても86の面々が突破されると共和国が防衛可能かどうか不明なレベルの敵が押し寄せていたにもかかわらず、全く対処しない共和国の不自然さ。今回はレーナが無理矢理に介入して撃退したが、それがなかったら順当に86の面々は全滅して、防衛ラインを突破した敵は共和国内に乱入して大殺戮になったのでは? その時に迎撃出来る兵器があるのなら、そもそも無理矢理に86を捨て石にする必要はなく、そのような装備がないのであれば、86の面々をただ単に消耗させることを目的にして戦線に投入しているということが全く前途のない方法なんだな。

     
こちらが原作のようです

 今回もとりあえずシンの兄貴の亡霊を駆逐して目出度し目出度しと考えていたら、彼らはそこからあえて死にに行くための作戦を続行。やっと彼らを危険を冒して助けたレーナにしたら納得出来ない展開でしょう。いや、そもそもここで歴戦の英雄である彼らを無駄死にさせようとしている上層部こそが意味不明なんだよな。通常なら適当に彼らを「英雄」と持ち上げてうまく使うことを考えるはずだから。処分するのは戦争が終結してから。それがまだ戦争続行中でしかも形勢は決して良いと言えない時に彼らを処分しようとしている。こりゃ銀河帝国との交戦中にヤン・ウェンリーを処罰しようとした自由惑星同盟政府よりも桁違いの無能だ。連中はヤン・ウェンリーを粛正することまでは考えてなかったが(それをするとさすがに帝国を抑えられないことが分かっていた)、この作品の共和国はそこでためらわずヤンを殺害しようとするわけであるから。自滅願望でもあるのかと疑いたくなる。

 

共和国にも86の面々にも不自然さしか感じない

 それとやはりここで極めて前向きに死にに行く彼らの心情ってのが不自然極まりないんですよね。特攻隊員でも自分達の死が親兄弟の命を救うことになると考えていたから命を捨てたわけで、自分達の死は中央に巣くっている腐敗した連中の利権を守るためと思っていたら、とても死ねたものではない。しかしこの連中って、明らかにそれを自覚した上でプライドが云々とか言って自殺しようとしているわけだから。本当に何度も言っているけど、絶滅収容所のユダヤ人に武器を渡して、ナチスのために命がけで戦えと言っているみたいな無理筋。そこのところが根本的におかしいから、どうにもこの作品は納得がいかん。

メカニックはそれなりに面白いんだが

 正直なところ、共和国上層部は実はレギオン達に乗っ取られており、人類を捨て石にして自分達の進化を遂げるためにひたすら人間達を無駄に戦場に投入していた・・・って展開の方が納得がいくな。まさか本当にそういうオチでしたという話ではないでしょうね。

 

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