白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

86-エイティシックス- 第8話「行こう」

殺されるための作戦に向かうシン達と孤立するレーナ

 さて、いよいよ全滅させられるための作戦に向かうシン達だが、既にメンバーは5人にまで減っているようです。で、全員死ぬのは了解済み。目的は敵の羊飼い(レギオンを束ねる中隊長ぐらいの機体の意味か?)にされているシンの兄貴の機体を葬ろうということのようである。つまりは兄貴の幽霊退治。まあこの目的はレーナでなくても気がつくわな。

     
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 で、レーナは何とか無謀な作戦を食い止めようと奔走するが、今まで彼女に付き合ってくれていた親友・アンリエッタからはとうとうその暗黒面を引き出してしまう。彼女は過去に何かあっただろうとは思ってましたが、やっぱりとてつもない暗黒を背負っていた。そういうのに全く気づいていなかったレーナはやっぱりそういう点では世間知らずのお嬢だ。

 アンリエッタの過去って、まさにナチスのユダヤ人迫害に協力した連中そのもの。まあ共和国の86狩りって明らかに元ネタはナチスのユダヤ人迫害だからな。しかも彼女の父親は86の子供を使用して人体実験までやらされていたというナチスそのもの。結局は彼女の父親は良心の呵責に耐えかねて自殺してしまって、彼女があえて良心を麻痺させてその後を継いでいたようだが、彼女のその古傷を容赦なくえぐるようなレーナの綺麗事にとうとう我慢が限界に来た模様。

 

にしてもやっぱりリアリティがないんだよな

 というように、86については完全に元ネタはナチスのユダヤ人弾圧なんだが、そこで無理があるのは、そのユダヤ人に武器を渡して「ナチスのために命を賭けて戦え」と命じて、命じられた方もそれに「プライドが云々」とか言って従っているところか。やっぱりその根本のところに無理があるんだよな。

 しかもシン達は、自分達が全滅した後にレギオンの総攻撃で共和国が滅ぶだろうということが分かっている。だからシンは最後の通信でレーナに「生き延びてくれ」ということを伝えているわけで、ハッとしたレーナはその意味も理解しただろう。にもかかわらず、共和国の面々は明らかに現実逃避。それに備えるでもなく、逆に無駄に86を全滅させようとしている。何やらコロナ蔓延の現実から逃避して、オリンピック開催して利権を確保という方向に邁進している日本政府なみのずれ具合というか無能っぷり。しかしさすがに無能の菅でも、自分の命がかかってきたら自分だけでも逃げられる算段ぐらいはしそうだが、共和国の首脳部にはその算段さえ全く見えない。これが極めて不自然。それとも実は既に自分達だけはどこかに逃げていて「では、お前達は後はしっかり国を守れよ」と言っているのか? なおレーナの上司はその時が来たら自分もそこまでという絶望に囚われているように見えるが。

 明らかに戦いの目的がレギオンを殲滅することでなく、86を殲滅することになっているんだな。まあレギオンが2年後に停止すると言うことが確定情報なら、政治的な思惑で反乱危険性のある86を全滅させるというのはあり得るが(もっともその前に反乱が起こる可能性を全く考慮していないというのも・・・)。しかしそれが明らかに怪しいとなっているのに、何やら無理矢理に希望的観測にすがっているなんていうのが異常に不自然であり得ないと私などは考えるのだが・・・しかし今の日本政府のコロナへの対応を見ていたら、極度に無能な奴にはあり得ることなのかもしれないという気も少ししてきた。

 

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