白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

憂国のモリアーティ 第20話「ロンドンの騎士 第二幕」

純粋悪と必要悪の戦い

 ウーン、きつい話だな。いくらかパターンが予測された中の、最もハードなパターンを持ってきたな。まあこの作品らしい。

     
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 とにかくミルヴァートンは、ホワイトリーがただ殺されたのでは民主主義に対する殉教者となってしまい、むしろ彼の死が民主主義を進めることになりかねないから、ミルヴァートンを堕落させて、彼の名が汚名にまみれて消え去ることを狙っていたわけで、その策略は成功をしている。しかし最後の最後でモリアーティ一行がホワイトリーに民主主義への殉教者としての立場を与えた。これはミルヴァートンにとっては計算違いだろう。

 ミルヴァートンは自らを純粋な悪と言っていたが、まあ純粋な悪というか、犯罪嗜好者、犯罪愛好家と言った方が正解でしょうね。そして他人の転落の過程に異様な興味を抱いているようであるので、悪魔的である。それに対してモリアーティ一行は必要悪と名乗っており、世の中を根本的に変えるための毒薬に自らがなり、さらには世の中を変えるためには自らは最終的に捨て石になる覚悟まである。根本的に目指しているものが違うというか、そもそもミルヴァートンは単に趣味で悪事をしているだけで、目指しているものは特になさそうである。単なる快楽殺人者と革命家の違いのように。

 

どこまでがモリアーティの策略なのかが不明

 今回、見ていて分からなかったというかぼやかしていたところは、モリアーティ一行が最終的にはホワイトリーがこういう形で破滅することを分かっている上で、利用しようとしていたのか、ホワイトリーがミルヴァートンの策略に嵌められたのはミルヴァートンに出し抜かれてしまったのかというところ。フレッドにホワイトリーの屋敷を見張らせていたのを、どういう目的で見張らせていたのかが分からないので判断しかねる。

     
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 前者ならモリアーティ一行が目的遂行のためならあくまで冷酷に他人を捨て石にするという凄まじさを示すものである。前話で「ホワイトリーのようなものはこの国では抹殺されるが」という言い方をしているので、それを承知であえて利用しようとしたということになる。後者なら、ミルヴァートンがモリアーティ一行を出し抜けるだけの力のある強敵ということになる。もっとも最終的にはモリアーティが形を変えて再度ミルヴァートンを出し抜いたことになるが。

 何にせよ、今後モリアーティ一行とミルヴァートンの全面対決になり、それの決着がこの第二期シリーズのラストか。で、今回全く出番のなかったホームズは、それに巻き込まれて右往左往した挙げ句に利用されるんだろうな。

 

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