白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

SSSS.DYNAZENON 第8話「揺れ動く気持ちって、なに?」

怪獣って何なんだ?

 なんか奇妙な回ですね。いつもと違って操られていない怪獣が登場。シズムがハズレの怪獣というようなことを言ってましたが、ナイト達も「弱すぎる半端なもの」というような扱いをしてました。人間の心の反映で怪獣が現れるようですが、その元々の心に中途半端なところがあったということか。

     
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 この怪獣、何となく蓬とつながっているような様子があったのだが、もしかして煮え切らなくて中途半端な蓬の感情が反映しているとか? どうもその辺りもよくわからないところである。それにしても蓬って、ダイナゼノンに合体するだけでなく、南さんと単独でも合体するし、今回に至ってはナイトと連携していた。このあちこちとの親和性の高さは、イマイチ主体性のない彼の精神の反映ではって気もする。

 ところで今回、今までと決定的に雰囲気が違っていたのは、怪獣の襲撃に混乱して逃げ惑う人々が初めて登場したこと。前回には稲本さんの旦那が巻き込まれて怪我をしてましたが、ようやく「普通に町中で戦ったら起こるだろうこと」が登場してきた。そう言えばニート君が「こんな町中で戦ったら被害が」というようなことを初めて言ってました。今まではそんなことを意識している様子はなかったんですが。何か今まで意識していなかったものを意識するようになってから、初めて現れたというように見える。何かこの辺りもこの世界のバーチャル感に結びついてるんだな。

 

そして背後に流れるドラマも

 蓬の「何か見つける方法があるんですか?」の問いに、サラッと「見つかるまで探す」というナイトも大概だな。真面目な顔でボケかますタイプのキャラか? 何考えているか良く分からないキャラの真髄を発揮してます。結局は最後まで協力した挙げ句に、しっかりとガウマにパンチ一発かましていくところなんかもいかにもだし。ガウマも後ろめたさがあるから甘んじて受けていたようですが。

  何かさり気にニート君の過去が出ていたが、やっぱり稲本さんって見かけ以上に病んでいるというか闇がある模様。ニート君は彼女にどことなく惹かれてはいたが、深入りするほどヤバゲなところがあったから逃げ出してしまったってところか。それでそういう中途半端な態度を取ってしまったことに対する悔いもあって、何となく人生自体中途半端になってしまっているというような。ガウマが「お前成長したんじゃ」というようなことを言っていたが、実際に彼女に対する気持ちを整理して行くにつれて、苦しくはあるが人生前向きになりつつあるような気配はある。まあ久しぶりに再会した初恋の彼女が、既に他の男と結婚していたというような展開は、スッパリと気持ちを切り替えて過去を切り捨てるしかないですからね。むしろ歩き出す切っ掛けになる。

 蓬と南さんの関係が、引っ付くようなそうでないような微妙な距離でフラフラしているが、南さんが姉の件をどう決着つけるかが転機になるんだろうな。今回探していた先輩に会えなかったが、普通に考えると彼が何らかの鍵を握っていて、それが波乱の展開につながって二人の関係性にも影響するってのが黄金パターンでしょうが。

 

ひたすら遊んでいただけの怪獣優生思想の方々

 怪獣優生思想の面々はガウマ達が悪戦苦闘している間、ひたすら遊んでいただけですが、これは明らかにシズムがそう仕向けた様子がある。どうもあの怪獣に彼らを介入させたくなかったというような。単に放置したかったのか、蓬が今回のような体験をするように仕向けたかったのか、どうも動機はハッキリしないが、何となくシズムは以前から他の連中とは違う原理で動いているようなところがある。

 で、オニジャとムジナは前回に同じ怪獣を二人で操作したことがきっかけか、知らない間に何となく意気投合したような雰囲気がある。やっぱり怪獣って何かの心のつながりに絡んだ存在なんだろうか。全回辺りのやりとりから、明らかにムジナの性格が変わってきているし。映画館の前で「絶対面白い奴じゃん」とハモっているのは笑ったが。最初からジュウガが「そんなに仲良かったでしたっけ?」って振り回されている様子があったが、ここでも「えっ?」って感じなのが笑える。

 

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