六号が「悪辣な?」手口で塔を攻略
今回は六号が相変わらずの悪辣な手口であっさりと秘宝のある塔を攻略してしまいましたという話。
なんだが、実のところ彼の駆使した手口って、普通に考えられる戦術の範囲内で、とりわけ悪辣でもなんでもないんですよね。むしろこの国の軍隊があまりに無能すぎってのが実態。とにかく戦力的に劣っているにもかかわらず、魔王軍に真っ正面から立ち向かっては敗北を重ねていたという本当にろくでもない軍ですから。六号が軍議に乱入して参謀とやらのことをケチョンケチョンにやっていたが、実際に私でも「補給を断つという戦術での基本中の基本のことさえ知らなくて、お前は何の参謀なんだ?」ぐらいは言うだろうな。とにかく戦術の「せ」の字もない。
大体塔やダンジョンを大兵力で攻めるって一番効率が悪い。私でも「魔法か何かで塔の頂上までピューッと飛べねえか?」っと思いましたから。六号が取った手の方がもっと真面目で堅実(笑)。まあ私なら「そんだけの兵力を動員するなら、いっそのこと塔を丸ごとぶっ壊せね?」って言うだろうな。
ところで勇者様って本当に使える奴なの?
で、頂上にたどり着いた六号は、勇者を倒したとか言う敵の幹部を見事に闇討ち。仲間を守ろうとして自ら半殺しにされる奴らの方が、六号よりは真面目なようだ(笑)。人質を取っての交渉ってのは確かに悪行ポイントが溜まるに十分そうだが、実際はこの辺りも本来なら駆け引きの範疇。やっぱり六号ってゲスな男ではあるが、実際にはそれほどの悪党じゃないんだよな。
にしてもあいつら真っ正面からやり合ってもそうべらぼうに強そうな印象じゃないんだよな。今回全く登場しなかったが、こいつらに怪我させられた勇者ってのも大概なんじゃないかって気がするんだが。いずれ登場するかしないかは分からんが。六号なら対面した途端に「ああ、こいつ使えねぇ」って判断するかも。
この作品、正直なところ全く何の期待もせずに見始めたんだが、この3話までの印象で言うと、意外なほどに想定外に面白い。今後もマヌケ連中の中で、抜け目のない六号がいかにうまく立ち回っていくかってことになるんだろうな。
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