白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

はたらく細胞BLACK 第11話「自暴自棄、痛風、反乱。」

自暴自棄となる主人公

 ボロボロになっているこの身体ですが、ついに痛風を患ってしまいます。以前に尿路結石もやっていますから、「生活習慣から来る死ぬほど痛い病気」のコンプリートに近くなってます。まあ普通ならここまで来たら生活をどうにかしないとと考えるはずなのですが・・・。

     
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 で、今回の胆はそのボロボロになった身体の中で、親友を失った主人公がボロボロになっているという話。ついには脾臓で処分してもらおうとさえ考えますが、このブラック職場ではそのようなことさえ許されないという話。

     
番組中で宣伝の入った主題歌がこちら

 そしてそれに絡めて白血球さんとの心の交流というドラマを含めています。なお番組途中で「この番組は科学的生物学、免疫学などから着想を得た作品ですが、物語の特性上、学術的な事実とは異なる描写があります。」と注釈が付くが、そりゃ赤血球と白血球が愛し合うという展開が一番存在しないわ(笑)。まあそれはともかくとして、分かりやすくするためにあえて正確さを欠く表現をしていたりすることは事実。だからそこが気になる人は自分で勉強してくださいというお話。大河ドラマがあくまでドラマであって、歴史的事実と異なる部分があるのと同じ(本能寺の変をけしかけたのが濃姫だったとかいうように)。この作品の場合、元作よりもさらにドラマ性を重視しているので、科学的に見た場合の不正確さは増す傾向があるが、その分ドラマの描き方は濃くなっている。

 

痛風はとにかく死ぬほど痛いらしい

 いかにもメタリックな感じの尿酸の結晶が登場しましたが、確かに細菌のような有機物と違って無機物ですから(厳密に言うと尿酸自身は有機物ですが、塩になって結晶化した時点で無機物扱いです。なお有機物、無機物って分類はかなり古典的なもので、実はその定義はかなりいい加減です。)。実際の尿酸結晶は針状結晶ですので、雰囲気はあんな感じです。見るからに痛そうな結晶ですが、そのために痛風の原因の説明の中には「針状結晶が析出して、それが周囲の組織に刺さることで痛みを発症する」なんて書いてあったのもありますが、実際は結晶が刺さるのでなくてそれが刺激となって炎症反応を起こすことが痛みにつながるが正解です。

     
サントラなんかも出ているようで

 番組でも言っていたように対象療法的なものはありますが、基本的には生活習慣を改めるしか根本療法がありません。プリン体が原因と言うことでビールがかなり敵視されましたが、一般的に魚卵などがプリン体が多いといわれており、濃厚でこってりした系の食べ物が原因となるので贅沢病の一種とも見られてます。もっとも最近の研究ではプリン体自身は食物から来るものよりも身体自体から来るものの方が多いので殊更にビールを敵視するのは意味がないという指摘もありますが。もっともビールはプリン体の問題だけでなく、アルコールの過剰摂取はやはり問題があります。

 ちなみに尿酸って、尿中で析出することもあって、その時には結石の方を発症します。と言うわけで尿酸値って健康の指標としては重要なんですよね。まあビールを飲み過ぎたら痛い系の病気を発症しやすくなると思っていてください。

 

原作2巻に沿ってエンディングに向かうようです

 ちなみにこの身体はそれだけでなくて、栄養ドリンクがぶ飲みで血糖値も高そうですね。本作では明確には出てこなかったが、糖尿病も併発している可能性は高いです。ちなみに原作では2つ目の身体が糖尿病発症してるんですよね。それで免疫力が低下していたことから白癬菌の大増殖につながるんですが、この辺りの3巻目のエピソードを一部織り込んでいるから、その辺りの状況がやや錯綜している。

     
番組中にも宣伝の出たコミック最終刊がこちら

 で、次回は原作2巻のラストに向かって、とうとう心臓が止まるようです。そして体内がいよいよ「蛍の光」になった時に外部からの介入で何とか命を取り止め。さすがにそこまで行ったところで身体の主も生活を改めて体内環境も徐々にホワイト化し始めるという希望のある展開になったところでアニメは終了でしょうね。職場的に言うと、ブラックを極めた企業についに労働基準監督署からの査察が入り、ブラック企業として社会から総バッシングを食らい、上層部は責任を取って辞任した上でまともな企業として再生を始めるという展開でしょうか。

 

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