地獄は法律を守るホワイト職場です
前回、上田さんが堕天させられるという怒濤の展開をしましたが、結局は「堕天」は「左遷ではなく出張の意味」とのことで、何事もなく戻ってきて目出度し目出度しという腰砕けオチでした。「オホーツク行き」を命じられたら、転勤ではなくて出張でしたというオチか。
で、前半は地獄に転職した新キャラ横田君が登場。地獄のマスコットキャラのデザインを依頼するという内容。地獄は環境の方をいくらでも変更できるので、地上と違って重力などの制約がないとか、既にイメージイラスト(と言ってもかなり雑ですが)まで用意されているという、今までにないホワイトな依頼にメンバーもテンションが上がりまくりというお笑い。
それにしても横田君は怪しい風貌に反していたく真面目なキャラですし、地獄もおどろおどろしい演出に反してかなりホワイトな職場というのが笑えるところ。そう言えば鬼灯さんも「地獄は労働基準法遵守」って言ってたな。あれは獄卒は公務員でしたが、こっちの地獄はテーマパークだそうですから。
そして登場したマスコットはケルベロスと三頭ドラゴン。ケルベロスは狼のせいで太りそうと言うのは笑ったが。そう言えば三頭動物が動こうとする時、それぞれ考えていることが違ったらどうなるんだというネタは、既にキングギドラの頃から存在した古典的ネタです。ちなみにキングギドラの元ネタは八岐大蛇らしいが、予算的な都合とかで頭が3つに減ったとかいう話があったな。三頭ドラゴンの方は変温動物だから休園日には代謝を落として冬眠して餌やり不要・・・って確かにそういう点は変温動物って燃費良いんだよな。恒温動物は常にエンジンをアイドリングで回しているようなものだから、即発進できるんだが燃費は悪い。うーん、やっぱり勉強になるな。
で、結局は両方採用でギャラは2倍って、とことん地獄ってホワイト職場ですな。しかも下請法も遵守している模様。いつも無茶振りしてくる神様よりもよっぽど優良顧客だわ。ちなみに神様からのオーダーは「天啓」だったようですが、地獄からのオーダーにはそれに該当するものがありませんでしたね。
ラッコは可愛いだけじゃない
後半はラッコのお話。海原さんのデザインした泳ぎが下手なのに水の中で生活する可愛い動物が、木村君のせいでグルメになってしまったと。実際にラッコって、高い餌ばかり必要なので飼育しているところでは餌代が大変らしいです。なおラッコの毛皮って上質なので乱獲で絶滅危惧種になってしまいました。そう言えばラッコの毛皮は「銀河鉄道の夜」にも登場しますね。ジョバンニが級友から「ラッコの上着が来るよ」とはやされるという。父親が不在のジョバンニに対するいじめなんですが、あの時には「ラッコ」はかなり唐突だという印象を受けましたね。ちなみにアライグマは帽子にするようで、ラスカルの母親も帽子にされた模様。
結局はラッコのあの上質の毛皮は、北の寒い海で体温を保つためには必需のものであるということ。またあの仰向けで浮いている姿は手足からの体温の放出をふせぐためのものであり、歯の負担を減らすために石を使って貝殻などを割ると。うーん、進化の過程が良く分かる。本当に勉強になるな、この作品。
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