シュウの親友カイが血相を変えて追っかけてきましたが
天才シュウ君が寝返ったのを追いかけて、帝国最強のカイが現れました。カイにしたらシュウがいきなり自分を裏切ったことに対する戸惑いと怒りが全開状態。まあ筋肉バカと知謀系の違いというのが端的に出ている。
カイは帝国内で栄達して実権を握ることによって、帝国を自分達が思うような形に変革することを目指している。しかしシュウは帝国の変革は自分の目的を達成させるための一手段であるから、社会を変革させる近道があったら帝国なんてなくなっても構わない。その辺りが感覚の違いのようです。帝国の変革を目指すカイにとっては、帝国内での栄達というのが唯一の手段なので帝国に反乱をするのは目的を放棄するに等しいのだけど、シュウにしたら「いや、別に帝国内で栄達するよりもこっちの方が近道だから」という話だった。
まあしかしその辺りは典型的脳筋キャラのカイには理解できないところ。とにかく頭の中は「裏切られた」の怒りで一杯。それに対してのシュウは飄々としながらも、バック・アロウが言っていたように確かに命を懸けてはいた。ああ見えて、実はかなり根底に熱いものを持っている人物のようです。子供の頃にこの社会の強烈な矛盾や腐敗を感じているから、そんな社会もろとも一度ぶっ壊したいという強い意志があるんでしょう。それとやはり、壁の外というものが存在するのかという好奇心も強いようですが。
それにしても展開が読めないな
で、結果としてカイの性格を読み切ったシュウのハッタリでカイは一旦撤退。ただ、爆発跡の詳細な調査を命じていたから、いずれその真相は判明するでしょう。そうなったらすぐにとんぼ返りで追っかけてきそうですが、それを撃退する秘策はシュウにあるんでしょうか? 目下のところ、切り札バック・アロウもまともにはカイには敵わなかったようだし、城艦も何やら武装はありそうだがその詳細は不明で目下のところは使い物にならない雰囲気だし。今のままならカイが追っかけてくる前に慌てて北の壁に行くしかないが、そこについたところで展望があるわけでもない。城艦の飛行原理がシュウが言っていたものなら、城艦に壁を飛び越える飛行能力はなさそうだし・・・というか、この世界にはホバークラフトのような機械はあるが、そもそも飛行機は存在してないな。ブライハイトはある程度の飛行能力は持っているようだが。
もっともカイの立場も微妙です。目下のところ帝国の忠実なる軍人ですが、そもそも本来の目的はそれではなく、表面的には凱帝の忠実な臣下だが本来的には凱帝を排除してそれに取って代わることも目指している。とは言うものの、脳筋男なのでその辺りの割り切りが完全には出来ておらず、手段も完全には整理されていないようですが。大本の目的とさしあたっての手段とが混乱している節が強い。その辺りが割り切れたらカイもこっち側に来る可能性のある人物ですが、そんな簡単に頭の整理がつかないという辺りまでシュウは読み切ってるんだろうな。カイに対して「説得する」という様子は微塵もなかったですからね。
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