白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

天地創造デザイン部 第3話「案件3」

竜が脱腸になってしまったというトンデモ話

 今回は新キャラクター、土屋さんの孫のケンタくんの登場でストーリーがあらぬ方向に。

 ただその前に水島さんの黒歴史をみんなでいじって大騒ぎ。確かに竜なんて「どうやって飛ばすの?」ってキャラだから、どう考えても実現不可能だわな。よくよく考えると、水島さんの代表作であるヘビって、竜のデザインをとことんシンプルにして現実的にしたものと言えるな。つまりは原型はこの頃に既にあったと。

     
原作コミックがこちら

 浮かせるためには水素ガスを充填してってわけで、鶏の尻尾に竜を付けてって・・・それってコカトリスの出来損ない。にしても水島さん曰く「つまり竜の部分は脱腸ってことだな」って確かに腸が出っ張ってるんだからそうなる。そりゃ水島さん怒るわ。

 ちなみにこの形のモンスターはバジリスクとも言われますが、本来のバジリスクは石化能力を持つトカゲの化け物のようなものだったのですが、それが段々とコカトリスと混合されたんですよね。とりあえず私は大昔の学生時代にモンスターとか武器とか魔法の体系のファンタジー世界に関する知識は一渡り勉強してますので、この辺りは私のテリトリー内です(笑)。

     
この作品にはバジリスクとして登場しますね

 で、水島さんは空を飛ぶヘビ、トビヘビをデザインして見事に黒歴史を塗りつぶしましたか。飛行の原理はモモンガと一緒だが、水平距離100メートルで空中で方向転換も可能ってかなり優れた飛行特性だな。こんなヘビいるんだな。勉強になるな。

 トビヘビの飛行について解説した記事があります

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

子供の想像力はとんでもないようで

 そして後半が問題のケンタくん登場。彼の落書きのせいで前回土屋さんがデザインして採用されたタツノオトシゴに「オスが子供を産む」というギミックが追加されることに。ジジイは孫に甘いというのはお約束ですが、土屋さんは孫バカが過ぎるというもの。ところで番組では「孫バカ」と出てましたが、子供に甘い親が「親バカ」ですから、それから考えると「爺バカ」のような気もしますが。

 タツノオトシゴのオスが子供を産むってのは結構有名ですね(児童向け科学書の格好のネタになるのでよく出てくる)。なお日本人には今ひとつ馴染みはないですが、中国では漢方薬のネタのようですね。干してスープにすると強壮効果があるとか。まああそこは何でも食べるお国柄ですので。

     
こういうものにもタツノオトシゴがはいっているそうな

 さらにはケンタくんがデザインした「得体の知れないもの」が勢いで採用されてしまったために大変なことに。設計図をとってくるために急遽「丈夫で強い動物」がデザインされましたが、ゴリラを単純に巨大化したら熱中症でダウン。確かに身体がデカくなるほど熱がこもりやすくなります。だからデブは暑がりなんです(笑)。で、いろいろと改良していく中でゴリラがまるで北斗の拳の雑魚のようなモヒカンになってしまったのは爆笑した。下田くんの「世紀末だ・・・」というツッコミはまさにその通り。

 で、これだと足にかかる荷重が重すぎるので4足歩行にし、器用さがなくなるので器用な鼻を付けてと改良したら象になったと。なるほど、象の耳は体温を下げるための冷却板だったんですね。そうやって地上最強の巨大生物が成立したか。うーん、何か進化の過程を辿っているな。つくづくお勉強になるなこの作品。

     
あれを「可愛い」と思われる方にはこんなものもあるようですよ

 そしてケンタくんがデザインしたとんでも生物は古生代カンブリア紀の海に棲息していたハルキゲニアですか。確かに他のどんな生物とも似ても似つかないとんでもない外観をしてるんですよね。しかも復元の過程で最初は上下が逆さに考えられていて、さらには前後も逆さで最初頭だと思われていたものはうんこだったってことも分かったそうな。うーん、実に細かいところまで再現してるわ。本当にお勉強になるな、この作品。

 

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