白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

天地創造デザイン部 第2話「案件2」

相変わらずのぶっ飛ばしぶりが楽しい

 天地創造をおちょくったすっとぼけ作品の第2回であるが、相変わらずのすっとぼけぶりでぶっ飛ばしている。

     
原作コミックがこちら

 今回は虫担当の「虫部」が新登場。みんな眼鏡にチェックのシャツで全く無個性ってのは、量産型オタクをパロってるんだろうか? 実際にコミケ辺りをウロウロしているオタって、ヒョロイかデブいかぐらいしか個性がなかったりするから(笑)。にしても個人的には虫部ってキツい仕事だ。私なんかあの巨大トンボだけでアウトです。だけど確か、恐竜の時代にはあのサイズのトンボが飛んでたんでなかったっけ?

 

独特の「可愛い」が炸裂する今回

 そして今回は前回にあまり描かれていなかった冥戸さんが正面に出て来てます。いつもなぜかアノマロカリス(もしかして彼女の代表作?)を抱いている不思議ちゃんです。どうやら独特の「可愛い」の感性を持っているようで、ちょっと通常人では発想しないような生き物を発想する模様。うん、こういうタイプもデザイナーの世界では確かにいたりするよな。

 その彼女が「可愛くて可愛くない生き物」という神様からのふんわりとした無茶ぶりに答えて出したのがコアラ。このふんわりとした無茶ぶりに金森が「クライアントのお任せがお任せだったことなどない!!」と激怒してましたが、こういうのもデザインの世界ではありがちなことなのかな(私はその世界とは全く縁のない人間なのであくまで想像ですけど)? 何かこの作品の作者、こういう世界をリアルで体験したことがあるような気がしてならないんだな。

 それにしても「コアラのどこが可愛くないんだ?」って思うんだが、「毒の植物だけを食べて、親のうんこを食べるためにカンガルーと同じ構造で、目は縦長で鋭い爪」ってこういう風に言われると確かに全然可愛くない(笑)。これって言い方を変えたら水が猛毒に見えてくるって話と一緒だな(水も摂取の致死量はありますので)。だけど冥戸さんと上田さん的には、ここまでが「可愛い」のポイントであって、だから外観は可愛くないものにしたってんだから、かなり普通と感性が違うということを強調している。作品の中での唯一の常識人の下田が「可愛いの意味が分からなくなってきた」とぼやくのも当然。この辺りのすっとぼけた感性は相変わらずこの作品の肝。

 

ユニコーンの下りは結構勉強になりました

 相変わらず馬に固執する土屋さんのユニコーンの下りはなかなか笑えた。デザインを優先した挙げ句に「アホにしよう」という決断は笑えた。往々にしてデザインを優先しすぎた挙げ句に一番大事な機能性を犠牲にしてしまったなんて失敗例をよく見るから、そう言うのに対するパロに見える。それにしてもこうして見ていると、馬って走ることに特化したかなり極限的な攻めまくったデザインなんだな。さすがに土屋さんの最高傑作。しかしだから余計なオプションを付ける余裕があまりないのか。

 それにしても、角ってのはカルシウムとエネルギーの浪費になるから贅沢だったのか。その観点はあまりなかったな。維持費の高い車を所有するようなもので、これだけのものを持てるぐらいオレはすごいんだというアピールで無駄な戦いを避けているって観点も興味深かったな。そうかフェラーリにはそういう意味があったのか? まあどちらかといえばあれは同性を威嚇するよりも、異性を惹きつけるのが目的だが・・・っていうか、鹿の角も一緒だよな。つまりはフェラーリははね馬のエンブレムよりも、トナカイのエンブレムの方が実態を反映することになる?

 

白熱するイルカとイカの争い

 海原さんと冥戸さんのイルカ対イカ対決も、実際に「進化ってこんなだったのかな」と思わせる面白い内容。イカが海面の光に溶け込むために光る身体を持ったって話があったが、実は魚の背がピカピカ光ってるのも一緒。あれは上空の鳥から見た時に、海面のキラキラに溶け込むためにああなったと言われている。そしてマッコウクジラの超音波ビームは私は初めて知った。あいつはあんな武器を持ってたのか。250dBの音波と言えば、もう物理的破壊力を持つレベルだな。まさにデビルアローだな。いやー、お勉強になるな。こういう「まんがサイエンス」的要素を持つ作品って大好き。作る方は大変だろうけど。

 海原さんの採用祭の中に紛れ込ませたケルピーがあっさりと不採用になった土屋さんだが、それを小型化したタツノオトシゴで見事に採用で一矢報いる。そう言えばタツノオトシゴって英名はseahorseなんだな。私的にはあのデザインを「馬」と見るのはかなり無理がある気もするんだが、少なくとも欧米人にはそう見えるらしい(笑)。

 

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