白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

2021年冬アニメ(日曜日版)+α

 この日曜日は結構な本数の放送があり、私がチェックしたのは4本に番外が1本です。

 

はたらく細胞!! 第1話「たんこぶ」

     
プライムビデオで公開中

 以前に放送されていて軽いブームになった人体内擬人化作品の続編。前作ではアニメを見ながら人体についての勉強になるという科学漫画的要素があったが、その辺りはまだ健在の模様。

     
コミック最新刊の6巻も近々出る予定らしい

 一応主人公?の赤血球は登場しているが、今回は完全に端役扱い、怖いけど根は優しすぎる人の白血球さんが出会った未熟な血小板のうしろまえちゃんの成長エピソードになっている。

 これの内容がハッキリ言ってスポ根。とにかく構成は斬新であるが漫画としての内容自体は結構コテコテに古典的なこの作品らしい。相変わらず可もなく不可もなくであるが、押さえるべきツボは押さえている安心して見られる作品ではある。

 と言うわけでとりあえずこれについては今後もチェック。まあ大化けすることもないがダメになることもないだろう無難な作品である。

 

はたらく細胞BLACK 第1話「喫煙、細菌、終わりの始まり。」

     
こちらもプライムビデオで配信中

 いろいろと派生作品も多数あるはたらく細胞の中で、大人向けと銘打っていう作品。ちなみにタイトルのBLACKはいわゆるブラック職場のブラック。身体の状態がとんでもなく悪く、夢も希望も見えない中でこき使われる細胞達を描く。

     
コミックも発売されてます

 いきなり主人公の赤血球(こちらは男)が研修を受けるところから始まるが、やたらに良いところばかりをアピールするインチキ臭いビデオとか、団結やらやる気をアピールする内容など、まるっきりブラック企業そのものの内容(○タ○かと思った)。

 実際の職場では感情を殺して麻痺させた状態でひたすら自身の身体を酷使するしかないというまさにやりがい搾取のブラック企業状態だが、この身体の主自体が実際にブラック職場で酷使されている人間なのではという二重状態を感じさせる作品である(私は原作を読んだ時に、この身体の主って締め切りに追われている漫画家ではと推測したのであるが)。

 

 で、今回はそれでなくても暴飲暴食で滅茶苦茶なところに、10年ぶりに再開したらしき喫煙のせいで血管内に毒ガスである一酸化炭素が入り込んで、それが赤血球達をむしばんでいくという救いのない展開、しかもその上に免疫力が低下したために肺炎球菌が入り込んでなんて絶望的状況で、赤血球君が白血球さん(本作ではかなりグラマーな女性)と出会うという登場キャラ紹介物語になっている。

 一応大人向けという設定もあるので、上記の元作に比べるとエグめの描写もあるし、今後は生殖細胞や勃起の話も出てくるはず。元作が科学漫画的要素が強いのに対し、こちらはもう少し主人公のドラマに力点を置いているというところが強いのが特徴。とりあえず元作と一緒にチェック。

 

Leviusレビウス 第1話

     
Blu-rayが予約受付中のようです

 何やらメカニカルな義手を駆使して行うボクシングの物語。どうやら戦争による破壊の惨劇とかがあっての後の社会のようで、主人公自身もそれに纏わる過去がありそうな模様だが、それらは単なる作品の背景に過ぎず基本は新手のスポーツものの模様。

     
こちらが原作コミック

 何か似たような作品があったような記憶がすると調べてみたら、あしたのジョーのリメイクと銘打って数年前に登場した「メガロボクス」だった。最もあれは完全な義手ではなくて、機械でパンチ力を増強する部分的パワードスーツのようなものだったはずだが、本作は完全な義手。そらにそこにハイテクと言うよりもなぜかスチームパンク的味付けをしているのが特徴。

 と言ったところで、基本的に私の好みのタイプの作品ではないし、味付け的にも大して特徴的なものを感じなかったので、本作についてはここで脱落。

 

怪病医ラムネ 第1話「調味料の涙」

     
プライムビデオでも配信中

 人間の精神が弱った時に「怪」が取り付いて起こる病気である怪病の専門医であるラムネの物語。第1話は調味料の涙が出るようになってしまったという天才子役の琴の物語。

 設定からオカルト退治の物語で主人公が怪病を起こす魔物と戦って・・・というジャンプ的なパターンの作品かと思っていたのだが、案に反して人間ドラマものだった。病の源が精神が弱っているというところにあることから、何が精神をそこまで弱らせたのかというところに病の根源があるので、それを解決する物語になっている。

     
原作コミックがこちら

  今回の場合は琴が子役として演技を続ける内に本当の自分の感情が分からなくなってきたというのが1つあるが、もっと深いところには、彼女が天才子役として活躍して稼ぐことによって母親が彼女を金づるとしか見なくなって親子関係が事実上崩壊してしまっていたということが潜んでいる。

 

 これは実際に非常に良くあるリアルな話で、かつて天才子役としてもてはやされた安達祐実の場合、彼女が稼いだ金はすべて母親が自分の欲のままに贅沢に使いまくっていたというのは有名な話。また「ホーム・アローン」で大活躍して一躍注目されたマコーレー・カルキンなんかも、彼の稼ぎを巡って両親が争うなどになった挙げ句に本人も薬中毒になって死亡説が出るような状況にまでなってしまった。やはりかつて天才子役としてもてはやされた杉田かおるなどは、自分があまりに稼いぐために家庭内で彼女を躾けるべき両親よりも偉い状態になってしまったので、彼女自身がとんでもないことになってしまったということを後に振り返っていた。

 かように売れっ子になった子役は逆にそのことで不幸になったという例に事欠かないのであるが、今回はもろにそういうエピソードになっている。金狂いになっていた母親に、そもそも彼女は本当は娘を愛していたはずという心を取り戻させるという人情ものになっている。なお父親の存在が全く出てこないことからシングルマザー設定のようだが、これは父親も存在して家庭崩壊の話まで拗らせてしまったら、単純には回復不能になってしまうというストーリー立て上の都合もありそうである。

 ジャンプ的オカルト漫画だったら即落ちるつもりであったが、その路線とは違うようなのでしばし様子見である。

 

 以上の4作に加えて、私が放送を知らなかった作品がたまたま録画していたAT-Xのデータの中から見つかったので、それも併せてチェックした。

 

天地創造デザイン部 第1話

 天地創造において神は大地だけでなく、そこにあらゆる動物を作ったとされているが、動物の種類を考えると非常に膨大な作業である。それでさすがに面倒臭くなった神様が動物のデザインを下請けに投げてしまったというお話。天使達のデザイン部がクライアントである神様からの要望に従って様々な動物をデザインするという極めて奇妙で突飛な話である。

     
原作コミックがこちら

 んだが、やはり「鬼灯の冷徹」とか「聖☆おにいさん」がツボった私としては、こういう作品は結構好みに合う。所々で入る動物豆知識的な学習漫画的要素がまた楽しかったりする(基本的に私は「まんがサイエンス」シリーズとかが好きな人間なので)。

 

 デザイン部の連中がとにかく一癖強い連中ばかりで、やたらに突飛な造形に走る奴、美しさにこだわる奴、味にこだわる変な奴、昔「馬」という大傑作をデザインしたことからその派生にこだわるベテランなど変人揃いってのが、いかにもデザイン部門なんかにありそうで妙なリアリティを感じる(笑)。またそのデザイン部の無茶なアイディアが実現可能かを検証する技術部まであるというのがまたリアル(笑)。

     
もし本作がツボるような方はこれも当然お勧め

 先にデザインされて採用された蛇があまりに最強過ぎて鳥がやられてしまうので、それに対抗しようといろいろと試行錯誤した挙げ句にとんでもないことになってしまうなんて話は「いや、実際の進化もこんな感じだったんでは」という気がしてなかなか面白かった。またそういう進化の実験場のための島がガラパゴスなんてのも笑えるところ。

 まあ奇妙奇天烈な作品であるが、こういう形のふざけっぷりは個人的に好きです。と言うわけで本作は今後チェック。


 と言うわけで日曜アニメについては基本的に3作を継続チェック。「天地創造」については今後チェックをしていく予定。

 

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