白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

100万の命の上に俺は立っている 第8話「ノンプレイヤーキャラキラー」

あっさりと殺人をしてしまったダークな主人公

 今回の話って、すごくあっさりと書いているけど、その実はとてつもなくブラックな話なんでしょうね。つまりは四谷が「どうせこの世界なんてゲームみたいなものなんだから」と、あっさりと殺人をしてしまったという話のようなんですが。

 元々四谷は他人に対して非常に打算的で冷淡なところがあるから、それが正面に出てその上に「ここはバーチャル」って感覚が加わったらあっさりとああいうことをしてしまう。ただその性格って過去のどす黒いことで生じてしまったものというよりも、彼が元々持っていた素因って感じがかなりしますね。確かに根本的な情の一部が欠落している。

 こういうことは箱崎さんなら絶対に認められるわけがないが、とにかく態勢に流される時舘さんなら「引くわ」と言いながらでも抵抗はしない。元よりカハベルは部下の復讐ということで殺る気満々だし。そういう点では四谷はこういう展開を読んでパーティーのメンツを選択してるのか。こういうところは非常に周到というか、妙に頭の切れるところがある。

     
原作コミックはまだストーリー進行中のよう

 今回は四谷と組ませることによって時館さんを描いてきたんでしょうけど、やっぱりどう描いても周囲に流されることを信条として生きている彼女は存在が空なんですよね。まあとにかくこの作品の珍しさはキャラクターに共感できない(多分あえて共感できないような設定にしている)し、リアリティもあまり感じないってとこ。それは多分普通のファンタジーの王道の裏を取ったつもりなんでしょうけど、そう言うところは何となく厨二臭かったりする。

 ところでこの作品もザクッと調べたところによるとまだ原作は進行中らしいので、どう頑張ったところでラストに行くわけがない。このアニメ独自のオチをつけるのか、それとも完全に中途でぶった切って、反響次第で続編をってパターンかな。だけどこの作品、続編を望む声がガンガン出るってほどの作品ではない気がする。まあアニメが中途で終わっても、原作小説の販促につながればそれで良しって考えかな。最近は小説やコミックのプロモーションビデオみたいなアニメが増えてきてるし。

 

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