激戦の中、やはりルゥの成長が泣けるな
いよいよ激闘編に突入してきました。エルフのディーネを助けて花の国を訪れたウィルは、毒でやられていた村人達を片っ端から癒やして灯火の神様の布教活動を実施。こりゃ一気に信者が増えそうだ。とにかくウィルの信仰はかなり現世利益が明確なので(笑)。それにしてもウィルの精神力も底無しって感じかな。恐らく奇跡自体は神の力を引き出すことで起こすんだろうけど、それを媒介するときに精神力の類いが必要だろうと思うから(でないと完全に無制限になってしまう)。ウィルは元々からそのキャパが桁違いってことなんだろう。まあこの辺りはメネルが言うところの「結局最後は力押し」ってことでもあるが。
第9話は完全にルゥが主役ですね。アンデッド化したドワーフの戦士達を成仏させ、さらには王座を取り戻すべくデーモンのジェネラルと一騎討ちを挑む。最初の非常に弱気だった頃とは見違えるような逞しさで、まさにドワーフの若き王としての堂々たる勇姿。こりゃここまで鍛えてきたウィルもメネルも感無量というようなところだろう。ルゥが一人で自分が決着を付けると進み出た時に、これはルゥが克服しないといけない試練と捉えてルゥを送り出すウィルと、まだルゥには厳しいんじゃないかと躊躇ったメネルという辺りに二人の性格の違いが出ている。メネルはいつも口が悪いが、実のところはかなり仲間思いではある。それが故に憎まれ役をあえて買って出ることもある。エルフ達がついていくといったときに、ウィルはハッキリと「足手まといになるから連れて行けない」と断ったが、後でメネルはああいう憎まれ役は自分の役割だのにというようなことをウィルに言っていたのが象徴的。
そしていよいよ大ボスと対面
そしてルゥはかなり苦戦しますが、ジェネラルを見事に討ち果たす。以前にウィルに習っていた投げ技(柔道の背負い投げと思われる)を駆使し、最後はウィルから受け取ったブラッドの短剣で敵にトドメを刺したというのがいかにも象徴的。ウィルが「この短剣はルゥが持っておくべきものという気がする」と言っていたのが、ここに来て予言ということになるという周到さ。こういう辺りはかなり細かい仕掛けをしてるんですよね。この作品。そういうのがいかにも王道でよろしい。
逃げ出したジェネラルの胴体を追った一行は、そこでそれを簡単に踏みつぶす巨大な影に遭遇。それこそが邪竜ヴァラキアカって、いかにも相手の巨大さと圧倒的な強さを現すお約束の演出です。
そしてそのヴァラキアカが自分を配下にしないかと持ち掛けてくる。さすがにただの邪竜でなく、古代から生きてきた狡猾な龍でもあるだけに揺さぶりをかけてきます。ウィルに揺さぶりをかけてきていると共に、ウィルの器量を測ってきているのは明らか。まあ応じたとしたら、形だけはウィルの配下になったとしても、実際は制御は出来ず、さらに自身の傷が癒えてウィルが老いて力が衰えてきたところでウィルを殺して好き勝手するのは明らか。ヴァラキアカにしたら恐らくここであっさり申し出を受諾するような相手なら、恐れるに足らずとさっさとこの場で殺してしまうつもりでは。これに対して逆に「改心するか否か」と迫るウィルは見事な器量を見せています。
で、次回はいよいよヴァラキアカとの戦いのクライマックスでしょうか。ウィルの究極呪文さえかわした相手ですから、やはり魔法はまともには通用しないと考えるしかなく、結局は血道に切り刻んでいくしかないんでしょうか。
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