婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む 第1話「イケナイ出逢い」
クソ王子に一方的に婚約破棄されるというパターンはなろう系には多いが、陥れられたヒロインがいかにしてクソ王子に意趣返しするかという話ではなく、無実の罪で陥れられた少女を、かなりアクの強い主人公が助けるというのがちょっとしたパターンのひねり。もっとも主人公のキャラはデザインから性格までどこかで見たことあるようなお約束パターン(ルックスは「英雄教室」のブレイドまんまだし、性格は不適合の魔王様をもう少し甘くした感じ)。
結局追い出されたシャーロットは、公爵令嬢と言いながらも妾腹だったせいで使用人同然の扱いを受けていて、非常に不幸な境遇で育っているのだが、それがどれだけ不幸だったのかを自覚していないという健気すぎるやや現実味の無い少女。恐らく彼女に無自覚に惚れた主人公が彼女に対して彼女が知らないこの世のイケナイ快楽の限りを教え込んでやる・・・ってことらしいが、こう書くと明らかに卑猥なことを想像するが(間違いなくそっちを想像するように持って行っている)、実はそうではないというある種の出オチ作品。
これからどう展開させるつもりか分からんが(主人公のぎこちない純愛を描くパターンとか、辺境スローライフ的なものとか、ヒロインの代わりに主人公がクソ王子に意趣返しをするパターンとかいろいろ考えられる)、ただどうコケてもいわゆるなろう系のお約束の枠内にはまる作品になるのは決定的な雰囲気だな。まあしばしは付き合うが、退屈するようならその時に切るか。
ブルバスター 第1話
民間企業が巨大ロボットを駆って、怪獣と戦うというパターンの作品。ハッキリ言って地球防衛軍のような公的組織でなくて、地球防衛企業というのは実はそう珍しい設定ではなく、実際に以前にも「地球防衛企業ダイガード」という作品があった。あの作品自体は私は嫌いではなかったのだが、今ひとつ突き抜けない、設定を生かし切れていないという歯がゆさが最後までつきまとい「頼むからその設定で私にシナリオを書かせてくれ!」と言いたくなった残念な作品である(笑)。
で、本作ももろにそのダイガードと同じ空気を感じるんだよな。結構美味しい設定を持ってきている割には、今ひとつ乗り切れないという感じ。敵が怪獣までは行かなくて、その手前の凶暴な有害生物というレベルだから、怪獣退治ではなく害獣駆除という扱いを受けているって設定がいわゆる制約としてのリアルってところ。害獣駆除だからミサイルの類いの高コスト高破壊力の兵器は使えんし、リアリティがつきまとうからビーム兵器の類いもなし、というわけでいきおい、重機による格闘戦がメイン・・・まあこの辺りのリアリティ設定は良いんだが、もう少しいわゆるロボットものに対するリスペクトとか、オマージュ精神が欲しいんだよな。
話としては主人公の鉄郎が何だかんだありながら、一癖も二癖もある波止工業の連中と馴染みつつ、害獣駆除に明け暮れるという日常を描くんだろうと予想がつく。そして恐らく話の主眼は、いかに民間企業としての「採算性」と戦うかという辺りが害獣と戦うよりも困難な戦いになるんだろうな・・・という辺りか。とりあえずしばらく様子見。
暴食のベルセルク 第1話「持たざる者」
生まれながら与えられたスキルですべてが決まる世界で、主人公のフェイトのスキルは「暴食」という単に腹がやたらに減るだけという使い途のないもの。おかげでフェイトは聖騎士に虐げられる底辺の生活をしていたが、実は暴食のスキルはとんでもない掟破りのものであった・・・というパターン。これもなろう系の典型的パターンの「全く使い物にならないと思っていたスキルが、実はチートスキルでそれに気付いた途端に無双」というパターン。
まあ典型的な学校や社内でパッとしない奴が「こんな俺でも実は隠れたチートスキルに目覚めて人生大逆転」という妄想にひたるための設定です。これの亜流が「使えないと勇者パーティーにリストラされたが、実は本人が無自覚な実力者で、リストラされた途端に実力を発揮してざまぁ」というパターン。最近は転生無双よりもこのタイプの作品がなろう系には掃いて捨てるほどある模様。もう作品のテンプレートが出来上がっているから、その内にAIでも書けるようになるんじゃないかと私は思っている。
というわけで作品の先は見えてるんだよな・・・。パターンとしてはあのクソ騎士3人に何らかの形で意趣返ししてざまぁするか。話数から考えると、あいつらがラスボスになる可能性もある。あまりにもお約束ガチガチの展開が見えたらその時は切るか。
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