白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

魔王学院の不適合者II 第12話「不適合者」

超ご都合主義のハチャメチャ大団円ですが・・・

 いやー、やってくれたわ。超ご都合主義展開の大団円。まあこの作品ならこうなるだろうな。慈愛の魔王様なら「ご都合主義? それがどうした。ストーリー立ての制約ごときでオレを止められると思ったか?」ぐらいサラッと言いそうだ(笑)。「理不尽を強いるような制作者ならば、この世にいらぬ」とかも言いそうだ(笑)。

     
原作はまた進んでいるみたいですね

 もう悲劇を否定するためならこの世の理から因果律まですべて破壊するような超オレ様が「暴虐の魔王」だからな。そして常に慈愛に満ちた情け深き魔王様である。偽の暴虐の魔王を一蹴し、満を持して現れたはずの天父神ノウスガリアもボコボコにした挙げ句に最後は権能を奪ってハエにして粉砕だからな。多分次はミミズにでも転生してるんだろうか。あまりに次元を超えた強さなんでここまできたら痛快だわ。

 全てが解決と言うところでレノが消滅ししまうので、これって慈愛の魔王様は絶対許さんだろうと思っていたら案の定でした。結局はレノの消滅って、シンに「私はあなたを愛していました」と言わせるためだけのシチュエーションだな。この時にシンは明確に愛を意識したということになるんだろう。まさに慈愛の魔王様の御業だわ。その後はまずはミサを一旦消滅させた後に完全な精霊として転生、このための仕込みは2000年前にバッチリ行っていたと。そしてミサが完全な精霊になったことで、レノの根源の噂の矛盾は解消したのでレノも復活と。まあ豪快までなご都合主義ですな。

 

 

本作の場合はこの超ご都合主義が爽快で逆に良しなんですよね

 挙げ句に国民を前にした勅命で不自由を許さぬ、悪意を許さぬまではともかくとして、悲劇を許さぬと明言しちまうんだからな・・・。悲劇を覆すために命を懸けるの宣言まで出ました。もうこりゃ無敵街道一直線ですわ。その後にいきなりヘッポコ聖歌団のヘッポコ聖歌まで登場するのがいかにもですが・・・さすがにこれはズッコケたが。ちなみにこの聖歌があまりにヘッポコなのはサーシャはお分かりのようで。どうやら魔王様は芸術関係に関する感性はかなりズレているようです。で、最後にチラリと何か次期の伏線ですか?ってのが出てましたが、どう考えても今回の騒動の背後では創造神も関与してるんですよね。どうも彼女が陰ながらアノスを支援した気配がある。また次期があるならそれがメインの話ですか? しかしアノスがあまりに無双化しているから、正直なところこの作品はそろそろ限界だと思うんだが。

 まあストーリー立てから考えると無双すぎる主人公なんて障害以外の何者でもないんだが、とりあえずこの作品はそういうお約束を開き直って超ご都合主義でぶっ飛ばしました。ハッキリ言って笑ってしまうぐらい稚拙なストーリーと酷評することも可能なんですが、この作品の場合「気持ちよければ何でもOK」と言うところでしょう。その開き直りはむしろ大正解ですね。緻密なストーリー立てってのは創作の基本ですが、まあ中にはこんな作品もあっては良いのでは。正直、私は好きですよ。この作品。こんな手の作品ばかりになっても嫌ですが。

 ストーリーの辻褄とかは超ご都合主義で滅茶苦茶ですが、作品を見ていると強烈なまでの慈愛に溢れる矛盾に満ちた魔王様の描写とか、その周辺の愉快な仲間たちの描写とか、キャラ描写がなかなかに良いんですよね。だから私はこの作品が好きですね。一番最後のミサを巡ってのレイに対しての、頑固者の超親バカ親父シンの突っ掛かりなんて「キターッ」て感じだったからな。恐らくレイは今後この将来の義父に結構苦労させられるだろうなんてことが想像出来てよろしい。まあ私が前々回に言っていたようにこの手のやりとりって不可欠なんですよ。このタイプのキャラには。こういうお約束はしっかり守ってくるのが本作の良いところ。

 

 

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