白鷺館アニメ棟

放送中のアニメ作品について、アニメファン歴50年以上という鷺が軽いツッコミを交えて与太話

スプリガン 第12話「忘却王国(後編)」

結局主題は浪花節だったな・・・

 うーん、終わったね・・・と言う感想だが、実際はまだ終わってなくて、いつでも続きを作れる体制。本当の意味では話は全く動いていないからね。実のところ、果たしてアーカムが本当に善なのかって疑問は当初から投げかけられてるんだが、それについての話を進めたらこの作品の根本から変わってくるから。

     
コミック自体は結構古典作品の雰囲気がある

 要するに今回のマッチョ教官は「優は才能があるから、自分の全てを教える」と言っていたが、その最期の仕上げのために命がけで優の前に立ちふさがったってことか。何かあのオッサンを見ていたら、一子相伝の拳法の継承者が、次の継承者に倒されるために死闘を仕掛けるっていうパターン(「北斗の拳」とかのパターンだな)を連想したわ。マッチョ教官にしたら、優のやさしすぎるところが甘さであり、その甘さは命取りとなり得るから、それを廃して非情に徹して戦う必要があることを身をもって示したってとこか。

 それと同時に冒頭の「アーカムが本当に善か」という疑問を投げかけていたな。要するにあのオッサンはそれに対して疑問を抱くべき理由が何かあって、その結果としてあえて敵対組織に身を投じる結果になったってとこか。まあ確かにアーカムって旧文明のテクノロジーを封じるとか言いつつ、実際は自分達は一部その技術を使っているからな。そういう点ではかなり胡散臭さがある。要するに旧文明のテクノロジーを独占しようとしているのではないかという可能性はある。とは言うものの、それらをアメリカみたいな戦争狂国家に使用させたらどうなるかって考えたら、身の毛もよだつけどね。何にせよ、いずれは優がそのアーカムの正義に疑問を感じることになる可能性があるということは匂わせていたな。

 

 

古代文明に関して何とも呆気ないオチで

 結局はそのマッチョ教官の浪花節が話のメインになってしまって、旧文明テクノロジー云々はどうでも良くなってしまった感があったのは今回の内容。遺跡の内容自体は染井芳乃が入手したプレートで全部あっさりと明らかになっちゃったわ、その遺跡を鎮める方法は第二次大戦の遺物のような核兵器を発動させることであっさりと吹っ飛ばせたわと、かなり安直に決着がついた印象だな。正直、核兵器如きでぶっ飛ぶ旧文明の遺跡ってのは、結構興醒めな部分もあるんだが。仮にも現人類の技術水準をはるかに超えたオーパーツなら、現人類が開発した核兵器なんてつまらん兵器ぐらい超越しろよとね(笑)。実際にその程度のものなら、先のナチスジジイにしたって、水晶髑髏に固執しなくても核兵器入手するだけで目的は達成出来たような気はするから。

 まあ作品自体は小気味の良いアクション中心で、見ていてある意味での安定感のある作品でした。どことなく古くささを感じさせるのは、実際に原作が古い作品だから仕方のないところか。原作の連載時期が1990年代前半って言うから、まだPCがWindows95の時代なんだよな。だから当然のようにスマホなんてまだ存在しないし、USBメモリさえもまだ登場しておらず、ケータイもせいぜいガラケーの時代だわな。だから作品中に登場するデバイスとかにオーバーテクノロジーの部分とレガシーな部分が入り交じって奇妙な感じがややあったんだな。明らかに今の時代に合わせて修正はかけていたようなんだが、完全には修正し切れてなかった感はところどころにある。

 

 

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